本文へ移動

合志市の税理士 宮伸一税理士事務所のお役立ち情報

相続税・税務・会計に関するお役立ち情報を、分かりやすくお届けします。

大津町の債務控除と葬式費用|準備したい資料

相続税・相続手続き

大津町にお住まいのご家族が亡くなられた後、借入金の返済記録や葬儀の請求書が見つかっても、その金額をすべて相続税の計算から差し引けるとは限りません。故人の債務だったのか、死亡時にどのような状態だったのか。葬儀に関する支出なら、何のために支払い、誰が負担したのか。資料を見る目的を分けることが、判断の出発点です。

この記事では、債務控除と葬式費用について、確認したい事実ごとに手元の資料を整理します。請求書だけでは分からない点や記録が見当たらない項目は、推測で埋めずに確認先とともに残します。相続税申告の結論を先に決めるのではなく、税理士に事情を伝え、必要な確認を進めるための準備に絞ります。

SECTION 01

債務と葬式費用を、財産の項目とどう分けて見始める?

大津町にお住まいのご家族が亡くなられ、預貯金の記録と未払金の請求書、葬儀の明細が一緒に見つかった場合、まずは性質の違う項目として整理します。相続税は原則として、故人の財産を相続や遺贈で取得した場合に、その取得した財産にかかります。ただし、この説明だけで対象財産の範囲は確定しません。

財産の項目と、差し引けるか検討する債務、葬式費用を分けておけば、請求額を見ただけで控除額を先に合算せずに済みます。葬式費用は故人の債務ではありませんが、相続税の計算では遺産総額から差し引けるものがあります。そのため、葬儀の請求も借入金や未払金とは別に、支出の内容と負担した人を確かめる必要があります。

手元の資料で分かることと、まだ確認できていないことも分けておきます。たとえば、請求書から金額は分かっても、それが故人の負担だったかは分からない場合があります。未確認の項目は推測で補わず、何を誰に確かめるかを残しておくと、次に借入金を調べる際も、資料の有無と税務上の判断を混同せずに進められます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4105 相続税がかかる財産」/国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」/国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 02

借入金は、死亡時の何を確認してから検討する?

借入金の資料が見つかったら、最初にその借入れが故人の債務だったかを確かめます。遺産総額から差し引ける債務は、故人の死亡時に現に存在し、確実と認められる故人の債務です。契約に関する記録は借入れの内容を知る手掛かりになりますが、契約があったというだけでは、死亡時にも返済すべき額が残っていたとは決められません。

そこで、手元にある契約の記録、残高が分かる記録、返済の記録を、死亡時点の状況を確かめるために見比べます。古い記録の金額をそのまま使わず、いつの残高を示すものか、死亡前後の返済をどう読み取れるかを分けて確認します。資料ごとに時点が違うときは、どの金額が死亡時のものかを未確認のまま残します。

返済の記録が一部しかない場合も、残りの金額を推測して控除額にしないことが大切です。分かっている契約内容と返済状況、確認できていない期間や金額を区別すれば、故人の債務として死亡時に存在したか、確実といえるかを検討できます。借入金について整理したこの二つの視点は、契約書が見当たらない未払金を調べるときにも役立ちます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」

SECTION 03

未払金の請求書があるとき、誰の債務かをどう確かめる?

未払金の請求書を見つけても、記載額を直ちに故人の債務として扱うことはできません。何に対する請求か、その支払義務が故人にあったか、死亡時点でなお未払だったかを切り分けます。債務控除を検討する基準は、死亡時に現に存在し、確実と認められる故人の債務であることです。請求書は、その条件を確かめる材料の一つとして読みます。

たとえば、請求の対象は分かっても、誰が負担する約束だったか読み取れない場合があります。反対に、故人に関係する支出と分かっても、死亡時には支払済みだった可能性を資料から否定できない場合もあります。請求の内容、故人との関係、支払状況を別々に確認し、一つの記載からほかの条件まで満たしたと推測しないようにします。

請求書が見つからない項目も、資料がないという理由だけで結論を出す必要はありません。支出の内容について分かっていることを残し、故人の債務か、死亡時に未払だったかなど、確認待ちの点を明らかにします。確認先と確認予定も記録しておけば、後から資料を照らし合わせやすくなります。税金の未納が混じる場合は、さらに別の条件を確かめます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」

SECTION 04

死亡後に納める故人の税金は、一律に除外してよい?

死亡後に税金を納めることになった場合、死亡時に金額が未確定だったという理由だけで一律に除外はしません。故人に課される所得税などで、死亡後に相続人などが納付または徴収されることになったものは、未確定でも債務として差し引ける場合があります。まず納税に関する書類から、誰に課される税金で、誰が納めることになったのかを確認します。

ただし、相続時精算課税適用者の死亡により、その相続人が承継した相続税の納税義務は、この未確定の税金についての取扱いから除かれます。また、相続人などの責任に基づいて納付・徴収される延滞税や加算税などは、遺産総額から差し引けません。死亡後の納付という共通点だけで、故人に課される税金と同じ項目にまとめないことが必要です。

手元の通知や納付の記録は、税金の種類、対象となる人、納付する人、負担が生じた理由を確かめる材料として整理します。資料だけでは故人に課された税金か、相続人などの責任に基づく負担か分からなければ、その点を確認待ちにします。個別の税金を記載の名称だけで差し引けると決めずに、次は未払金の支払対象そのものによる違いを見ていきます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」/国税庁ホームページの「相続時精算課税における相続税の納付義務の承継等」

SECTION 05

お墓の未払代金は、ほかの未払金と同じ扱い?

支払いが残っていることと、その金額を遺産総額から差し引けることは別です。故人が生前に購入したお墓の未払代金は、非課税財産に関する債務の例であり、遺産総額から差し引けません。請求書に「未払」とあっても、その言葉だけを根拠にほかの未払金と一緒にせず、何を購入した代金なのかを確かめる必要があります。

お墓に関する請求を見つけたときは、請求の対象物と、故人が生前に購入したものかを資料から読み取ります。対象が分からないまま、請求書の名称だけで非課税財産に関する債務だと決めることも避けます。分かっている購入内容と、まだ確かめられていない内容を分けておけば、支払状況の確認と、差し引ける債務かどうかの検討を混同しません。

この例は、すべてのお墓関連の支出を同じ税務項目として扱うためのものではありません。ここで確かめているのは、故人が生前に購入した非課税財産に関する未払代金かどうかです。購入の対象が異なる請求や死亡後の支出まで、この例だけで結論を広げないようにします。次は故人の債務から離れ、葬式費用として支出の内容と負担者を確認します。

参照先:国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」

SECTION 06

葬儀の請求を確認するとき、最初に誰の負担を確かめる?

葬式費用は故人の債務ではありません。それでも相続税の計算では、対象となる葬式費用を遺産総額から差し引けます。葬儀の請求書を確認するときは、金額だけを債務の一覧に移さず、まず誰が実際にその費用を負担したのかを確かめます。請求書の宛名だけで負担者を決めず、支払の記録も手掛かりにして、分かる範囲を整理します。

差し引けるのは、一定の相続人や包括受遺者が負担した、対象となる葬式費用です。包括受遺者とは、遺贈により財産の全部または一定の割合を受ける人を指します。誰が負担したかが分かっても、支出の内容を確かめずに控除できるとは決められません。負担者の条件と費用の内容を、それぞれ確認する必要があります。

請求書から支出の内容が読み取れても、誰が負担したか不明なら、その点は確認待ちにします。逆に、支払った人が分かっていても、明細の内容が分からなければ、費用の対象を確かめる必要があります。特定の書類があるだけで条件を満たすと考えず、請求と支払の記録から確認済みの事実を分けて整理します。次は明細にある火葬・埋葬・納骨の費用を見ていきます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 07

火葬・埋葬・納骨の明細は何の費用かをどう確認する?

葬式費用の負担者を確認したら、次は葬儀の明細にある支出の目的を見ます。国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」では、葬式や葬送に際して、またはその前に行う火葬・埋葬・納骨のためにかかった費用を、通常、差し引ける葬式費用に挙げています。明細の名称だけでなく、実際に何のために支払ったかが確認点です。

「納骨一式」は内訳を確かめる

たとえば「納骨一式」という記載だけでは、納骨のための費用と、墓石・墓地の購入や墓地を借りるための費用を区別できません。後者は差し引ける葬式費用には含まれないため、同じ請求書に載っていても目的別に確認します。一式の内訳が手元の明細から分からなければ、金額を推測して分けず、請求元に何を確認するかを記録しておきます。

明細に「火葬」「納骨」と書かれていても、その記載がどの支出を指すか、別の費用が含まれるかを見ておくと、確認済みの内容と未確認の内容を分けやすくなります。火葬等のための費用だと確認できた項目と、内訳待ちの項目は混ぜずに整理してください。ここでは葬儀明細の目的を確かめ、別に請求された移送費については、次に回送の対象を確認します。

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 08

移送費の記録は、遺体・遺骨の回送と確認できる?

火葬などの明細を分けた後は、別請求の「移送費」も名称だけで葬式費用にまとめないことが大切です。国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」が通常の葬式費用として挙げるのは、遺体や遺骨の回送にかかった費用です。まず請求書や手元の記録から、何を回送した支出なのかを読み取れるか確認します。

何を回送した費用かを残す

「搬送」「車両」などの記載があっても、それだけでは遺体や遺骨の回送費と確認できない場合があります。請求内容に対象が書かれているかを見て、分かる場合はその内容を記録します。移動に関する支出をすべて同じ扱いにせず、対象が読めない場合は「遺体または遺骨の回送か」を請求元への確認事項として残しておくと、後で目的を確かめられます。

葬儀の請求書と移送費の請求書が分かれていても、書類の枚数や請求元の違いだけで支出の性質は決まりません。記録から回送の対象を確認できるものと、説明を待つものを分けておけば、確認できていない費用を先に葬式費用へ含めずに済みます。移送費の次は、お通夜など葬式の前後に生じた支出について、日付ではなく葬式との関係を見ていきます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 09

お通夜の支出は、支払日ではなく何で区別する?

お通夜の請求を見つけたら、葬式より前に支払ったか、後で精算したかだけで分けないようにします。国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」では、葬式の前後に生じ、通常葬式に欠かせない費用として、お通夜にかかった費用などを挙げています。大切なのは支払日そのものではなく、請求された内容が葬式とどう関係するかです。

請求内容と負担者を別々に見る

同じ時期の請求でも、「葬式の前後に生じた」というだけで、すべてを対象となる費用にはできません。まず明細から何の支出かを確認し、通常葬式に欠かせないものに当たるかを検討します。記載が曖昧なら、請求元に確かめたい内容を残してください。時期だけで判断せず、分かっている目的と、まだ説明が必要な目的とを分けることが役立ちます。

支出の内容とは別に、誰がその費用を負担したかも確認します。対象となる葬式費用でも、差し引くには一定の相続人または包括受遺者が負担したという条件があるためです。請求書の記載だけでは負担者が分からないときは、その点も確認待ちにします。お通夜と葬式との関係を整理したら、次は読経料など、支払いの形より目的を確かめたい費用を見ます。

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 10

読経料などのお礼は、どの支払目的を伝える?

読経料などのお礼を確認するときは、請求書や領収書の形だけに目を向けず、葬式に当たってお寺などへ行った支払いかを確かめます。国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」では、葬式に当たりお寺などへした読経料などのお礼を、通常、差し引ける葬式費用に挙げています。支払先の名称だけでなく、何に対するお礼だったかが重要です。

記録が足りないときの伝え方

手元に記録が十分ない場合は、分かる範囲で支払先、支払った目的、費用を負担した人を分けて整理します。たとえば目的が「葬式に当たっての読経へのお礼」かどうか分からなければ、その点を確認待ちとして残します。領収書がないという理由だけで控除できるとも、できないとも決めず、確認できる事実と不足している事実を区別するためです。

葬式に当たってした支払いかが確認できても、それだけで検討は終わりません。葬式費用を遺産総額から差し引くには、支出の内容に加え、一定の相続人または包括受遺者が負担したかを確認する必要があります。支払先について分かることと負担者について分かることを別々に伝えられるようにしておくと、次に見る香典返しや法事の費用とも混同しにくくなります。

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 11

香典返しと初七日の請求は、葬式費用からどう分ける?

葬儀に近い時期の請求でも、支出の目的が違えば分けて確認します。国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」では、香典返しのための費用と、初七日など法事のための費用は、差し引ける葬式費用に含まれません。たとえば同じ請求元から届いた明細でも、返礼のためか、法事のためかを確認し、葬式に関する支出と一緒に扱わないようにします。

一式請求なら目的ごとの説明を待つ

墓石・墓地の購入費用や、墓地を借りるための費用も、差し引ける葬式費用には含まれません。納骨に関係する請求書の中にこれらの支出がある場合も、請求書が一枚だからと一括して判断せず、それぞれ何のための費用かを見ます。「葬儀・法事一式」のように内訳が読めなければ、金額や目的を推測で振り分けず、請求元への確認事項として残します。

明細を見直すときは、香典返し、初七日などの法事、墓石・墓地に関する記載を探し、分かった目的と不明な内訳を分けておくと整理しやすくなります。支払時期や請求元が同じでも、目的の違いを消してしまわないためです。確認待ちの項目はそのまま残し、債務やほかの葬式費用とともに、相談時にどこまで確認できているかを伝えられるようにします。

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

SECTION 12

不足資料があるとき、債務と葬式費用をどう伝えて相談する?

未払金などの債務と葬式費用は、同じ「支払うもの」としてまとめず、項目ごとに内容を伝えます。債務については、故人の死亡時に現に存在し、確実と認められるものかが確認点です。一方、葬式費用については支出の目的に加え、一定の相続人または包括受遺者が負担したかを確かめます。分かる記録と不足している記録を分ければ、何から確認するかを相談しやすくなります。

ご相談の際は、各項目について、何の支出か、死亡時にはどのような状況だったか、誰が負担したかを、手元の記録に沿ってお知らせください。死亡時の状況が債務の確認に関係し、負担者は葬式費用の確認に関係します。分からない点は埋めずに、確認待ちの内容と確認先を伝えてください。個々の控除可否は、その事実を確かめてから検討することになります。

相続税申告に向けたご相談について

個別の支出を整理した後、相続税の計算では各人の課税価格を合計します。支出だけから相続税申告の要否を決めることはできません。大津町を含む熊本県内を対象地域とする宮伸一税理士事務所では、相続税申告を取扱領域としています。手元の資料と確認待ちの事項を知らせ、何から確かめるか、申告準備として何を整理するかをご相談いただけます。個別案件への対応範囲は相談時にご確認ください。ご連絡の際は、宮伸一税理士事務所の問い合わせページからお願いします。

各人の課税価格を合計する相続税の計算の参照先:国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」

参照先:国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」

参照先:国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

FAQ

よくある質問

請求書が「葬儀一式」となっている場合、その金額をまとめて扱えますか?

現時点では判断できません。火葬などの費用と、香典返し・法事など対象外の費用が含まれていないか、請求元に内訳を確認してください。あわせて、誰が費用を負担したか分かる記録も確認します。

亡くなった方が購入したお墓の代金を、相続後に支払った場合はどうなりますか?

生前に購入したお墓の代金は、亡くなった方の借入金として残っていても、相続税の計算上は遺産総額から差し引く債務(債務控除)の対象にはなりません。お墓・墓地・仏壇などは非課税財産とされており、その取得にかかる未払代金も非課税財産に対応する債務として控除できないためです。したがって、相続後に相続人が支払ったとしても扱いは変わりません。なお、葬儀の際にかかった納骨費用は「葬式費用」として別途債務控除の対象になり得ますので、お墓の購入代金とは区別して確認する必要があります。購入時期や契約内容が分かる資料(契約書・請求書など)を確認し、いつ・何のために発生した費用かを整理してお伝えください。

故人の税金の通知が死亡後に届いたら、死亡時に金額が未確定だったことだけで除外しますか?

いいえ、故人に課され、死亡後に相続人などが納付または徴収されることになった所得税などには、死亡時に未確定でも差し引ける取扱いがあります。ただし、相続人などの責任による延滞税・加算税などは区別が必要です。通知の対象者、税金の種類、納付に至った事情を確認してください。

運営者

宮伸一税理士事務所