熊本県内にお住まいのご家族が亡くなられ、相続人に認知症の方がいる場合、「書類はどこで取ればよいのか」と戸惑うことがあります。ただ、相続税申告に使う資料と、ご本人が関わる手続について確認する資料では、調べる目的が異なります。まずは書類名を急いで決めず、手元にあるものと不足しているものを分けて考えることが大切です。
国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」は相続税申告の要否をおおよそ確認するためのもので、申告書を作成するものではありません。申告に関する資料の案内には「相続税の申告のしかた」もあります。一方、個々の公的書類を誰がどこで請求できるかや、認知症の方に代理人が必要かは、これらの案内だけで決められません。取得先を調べる前に、何のために必要な書類かを明確にします。
SECTION 01
最初に分けたいのは、何に使う書類か
熊本県内にお住まいのご家族が亡くなり、相続人に認知症の方がいる場合、「相続税申告に使う書類」と「その方が関わる手続について確認したいこと」を分けて考えると、何を調べているのかが明確になります。同じ書類が話題に出ても、申告のために内容を確かめたいのか、別の手続で誰が何を確認する必要があるのかによって、問いは異なります。
書類の名前より先に、使う目的を確かめる
例えば、手元にある書類については、相続税申告の資料として内容を確認したいのか、それとも認知症の方が関わる手続について確認したいのかを分けておきます。書類の名前が曖昧なまま取得先を探すと、必要なものが分からないまま別の手続の案内を見てしまうおそれがあります。名前や取得先が分からないものは推測で確定せず、何のために必要と考えているかを先に確かめてください。
認知症の方についても、病名だけから必要な手続や代理人等の要否を決めることはできません。相続税申告の資料について調べる作業と、本人が関わる手続について本人の状況や所管機関の資料を確認する作業は、別の問いとして残しておくことが大切です。
SECTION 02
相続税申告で提出する書類はどこから調べるか
相続税申告のために提出する書類を調べるなら、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」にある「相続税の申告の際に提出していただく主な書類」の項目を確認できます。申告に関する掲載箇所を探すための手掛かりであり、個々の書類をどこで取得できるかを一律に示す案内として扱うものではありません。
「主な書類」と、自分の申告に必要な書類は分ける
掲載されているのは、申告の際に提出する主な書類の項目です。家族の状況や申告に関わる内容を確かめないまま、そこに挙がる書類がすべて必要だと決めたり、挙がっていない書類は不要だと決めたりはできません。まずは調べたい書類が申告の何を確認するためのものかを明らかにし、個別に必要かどうかは別に確かめます。
戸籍謄本など個別の公的書類についても、この掲載項目だけを根拠に取得窓口や請求できる人を決めないでください。提出する書類の確認と、その書類をどう入手するかの確認は異なります。書類名が分かっても手元にない場合は、次に「まだ取得していない」のか「所在が分からない」のかを分けると、調べるべきことを絞れます。
参照先(申告時に提出する主な書類の掲載箇所を確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」
SECTION 03
書類が見当たらないとき、何を先に確かめるか
「書類がない」という言葉だけでは、これから確認することを決めにくくなります。まだ入手していないのか、以前はあったはずだが所在が分からないのか、現物はあっても内容を確かめていないのかを分けてみてください。それぞれ、探す対象と確認したい問いが違います。
手元にない理由を三つに分ける
- 未取得:必要だと考えている書類の名前と、何に使うつもりかを確認する。
- 所在不明:以前に見たことがあるか、手元のどの資料を調べたかを確認する。
- 内容未確認:現物があることと、その記載を申告資料として確認できたことを分ける。
例えば、書類の名前は聞いていても現物を見ていないなら、記載内容が分かっているものとして扱わないことが大切です。逆に、手元に現物があるなら、足りないのは取得そのものではなく、使う目的に照らした内容の確認かもしれません。確認待ちの項目、確認先、確認する予定を記録しておくと、後で同じことを調べ直さずに済みます。
公的書類の具体的な取得先、請求できる人、添付書類は、書類ごとに所管機関の資料で確かめる必要があります。認知症の方が関わる手続についても、申告資料が不足しているというだけで、代理人等が必要かどうかまで判断しないでください。
SECTION 04
亡くなった年と手元の案内は合っているか
手元の「相続税の申告のしかた」を開くときは、表紙などにある年分と、亡くなった方が亡くなった年を見比べてください。国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」は、令和8年4月1日現在の法令等に基づき、原則として令和8年1月1日から12月31日までに亡くなった方に係る相続税申告について説明しています。
「令和8年分用」は、すべての年の案内ではない
令和8年分用を持っているからといって、亡くなった年を確かめずに使うことは避けたいところです。ほかの年に亡くなった方の申告について、令和8年分用の説明をそのまま当てはめられるとは限りません。まず死亡した年月日と手元の案内の年分を確認し、対応しているか分からなければ、その点を確認待ちとして残します。
資料を受け取った日や印刷した日と、「何年分用か」は別の情報です。家族の間で別々の印刷物を見ている場合も、書類名だけで同じ内容だと思わず、それぞれの年分を確かめてください。令和8年分用については、年分が合っていても、手元の印刷物と国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」の掲載版に違いがないかを続けて確認できます。
参照先(手元の資料が亡くなった年に対応するかを確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」
SECTION 05
令和8年分用の印刷物と掲載版が違うときは
令和8年分用の「相続税の申告のしかた」を税務署等で受け取り、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」も見ているなら、両者を同じものとして扱う前にお知らせを確認してください。国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」では、配布された資料の70ページにある相続税の申告書第14表の記載例に誤りがあったと案内されています。国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」に掲載されているものは、その誤りを訂正した後の版です。
違いを確認するのは第14表の記載例
手元の印刷物を使っている場合は、まず令和8年分用かを見て、次に第14表の記載例を参照しているかを確かめると、確認したい箇所が明確になります。該当するなら、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」の正誤表や訂正済みの掲載版と見比べてください。案内されている誤りを、提出する主な書類の項目や資料全体にまで広げて受け取る必要はありません。
家族が別々の版を見ながら話していると、同じ「令和8年分用」でも記載例について説明が食い違うことがあります。どちらを参照しているかを確かめるため、印刷物か掲載版かと、見ている箇所を伝え合うとよいでしょう。この確認は記載例の版の違いについてのもので、相続税申告が必要かどうかの判定とは別です。
参照先(令和8年分用の資料で訂正済みの掲載版を確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」
SECTION 06
申告要否の判定コーナーで分かる範囲は
申告の説明を探すことと、相続税申告の要否を確かめることは別です。国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」は、相続財産の金額などを入力した内容に基づき、申告のおおよその要否を判定するためのものです。入力する金額などがまだ分からない場合は、不明な項目を推測で埋めて結論を出さないでください。
判定結果と申告資料の確認を混同しない
判定コーナーは相続税の申告書を作成するものではなく、結果だけで個別の相続税申告の要否が確定するわけでもありません。入力した内容が何かを振り返り、まだ確かめていない財産の情報があれば、そのまま確認待ちとして残すことが大切です。判定結果を、提出する書類がそろったことの証明として扱わないようにします。
申告について調べる際には、判定コーナーとは別に、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」に申告の項目が掲載されています。相続財産の金額などを入力しておおよその要否を見たいのか、申告についての説明を確認したいのかを分けて参照してください。家族の具体的な状況については、入力した内容と確認待ちの項目を整理したうえで、個別に確かめる必要があります。
参照先(入力した内容から相続税申告の要否をおおよそ確かめられるかを確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」
参照先(判定コーナーとは別に申告の説明があることを確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」
SECTION 07
判定結果をそのまま申告書にできるか
判定結果と申告書は別のもの
国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」は、相続財産の金額などを入力して相続税申告のおおよその要否を判定するもので、相続税の申告書を作成するものではありません。画面に判定結果が出ても、それを申告書として提出できるわけではないため、結果を保存したことと申告書の準備が済んだことを分けて考えてください。
書類の取得先を調べている途中なら、判定時に入力した内容のうち、手元の資料で確かめたものと、まだ確認していないものを区別しておくと、次に何を尋ねるかが明確になります。判定結果だけを見て、個別の書類がそろったかどうかまで決めず、何の確認に使う書類なのかを一つずつ整理してください。
参照先(判定結果を申告書の作成と取り違えないために確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」
SECTION 08
認知症の方に関わる手続は書類だけで決められるか
税務資料と本人に関わる確認は分ける
相続税申告に関係する資料が手元にあるかどうかと、認知症の方が関わる手続をどう進めるかは、別の確認事項です。診断名だけをもとに、ご本人の判断能力や代理人が必要かどうかを決めることはできません。書類がそろっていても、本人の状況について確認したいことが残っている場合は、そのまま確認待ちとして整理してください。
例えば、家族が保管している書類を見つけた場合も、その書類が何を確かめるためのものかと、ご本人に関わる手続について何を尋ねたいかを分けておくと、質問が混ざりません。相続税申告の資料を確認するだけで、本人に関わる手続の進め方まで決まったと考えないことが大切です。
SECTION 09
取得先を確認するとき、何を伝えればよいか
書類の名前だけでなく、使う目的も伝える
取得先を確認したいときは、「相続で使う書類が欲しい」とだけ伝えるより、どの書類について、誰に関する何を確かめたいのかを整理して尋ねると、質問の対象が明確になります。相続税申告のために確認したい資料なのか、認知症の方が関わる手続について尋ねたいことなのかも分けてください。二つを同じ質問にすると、必要な確認事項を取り違えるおそれがあります。
問い合わせる前に、分かっている範囲で次の点を整理します。分からない項目は推測で埋めず、確認待ちとして残してください。
- 必要と思っている書類の名前と、その書類で確かめたいこと
- 書類の対象となる方と、手元にある関連資料
- 手元にない理由として分かっていること、まだ調べていないこと
- 取得先や請求方法について、具体的に尋ねたい点
書類の名前がまだ分からなければ、先に目的と対象者、現在分かっている資料を伝え、何を確認すべきか尋ねる形にできます。具体的な取得先や請求方法は、書類ごとに確認が必要な事項として残してください。
SECTION 10
書類がそろう前に財産のことを相談できるか
財産について分かっていることから伝える
書類がそろう前でも、現時点で把握している財産の項目と、確認できていない項目を分けておくと、相談したい内容を伝えやすくなります。例えば、手元の資料に書かれている内容と、家族から聞いているだけの内容は区別し、資料がない項目については何を確認したいかを添えてください。書類が見当たらないことだけで、その項目が存在しないと決めないようにします。
宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」では、相続税申告サービスの内容に相続財産の調査・確認を挙げています。分かっている財産と不足している情報を伝え、何から確認できるか相談する際の参考になります。ただし、個別の案件でどこまで対応できるかは別途確認が必要で、書類の取得代行まで決まっているわけではありません。
参照先(財産の把握について事務所に相談できる範囲を確認する。):宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」
SECTION 11
熊本県内で相続税申告を相談する際、何を伝えるか
手元の情報と、相談したい内容を分けて伝える
熊本県内でご家族が亡くなられ、相続税申告の資料を調べている方は、まず判明している財産の項目と、それを確かめた手元の資料を伝えてください。あわせて、見つからない書類、取得先が分からない書類、認知症の方に関わる手続について別に確認したいことを区別しておくと、税務上の確認対象を相談しやすくなります。
宮伸一税理士事務所は、熊本県内を対象地域とし、相続税申告を取扱領域としています。対象地域に含まれることと、個別の案件に対応できることは別です。手元の資料と確認待ちの項目を知らせ、相続税申告に向けて何から確かめるかを事務所と相談してください。
公的書類を誰がどのように請求できるかや、認知症の方について代理人等が必要かという問いは、財産の税務上の確認と混同しないでください。未確認の点を明示したうえで、相談の際にも税務上確かめたいことと、それ以外に確認先を調べたいことを分けて伝えられます。
SECTION 12
取得先が分からない書類を残している場合は
取得先が未確認でも、分かっていることは残せる
書類の取得先が分からないままでも、手元にある資料と、まだ確認していない項目を分けておけます。書類については、名前や使う目的、対象となる方、手元にない理由として分かっていることを整理し、取得先と請求方法は確認待ちとして残してください。分からない部分を推測で埋める必要はありません。
書類が不足しているというだけで、相続税申告の要否は決められません。財産について分かっていることを先に伝え、足りない情報のうち何を確認する必要があるか相談すると、次に尋ねたいことが具体的になります。認知症の方に関わる手続の確認事項は、相続税申告の資料とは分けたままにしてください。
FAQ
よくある質問
相続税の申告要否判定コーナーの結果を保存していれば、申告書はできていますか?
いいえ。国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」は、入力内容から申告のおおよその要否を判定するもので、申告書を作成するものではありません。申告に関する確認は、判定結果と分けて進めてください。
亡くなった年が令和8年ではなくても、令和8年分用の案内を使えますか?
現時点では判断できません。国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」の令和8年分用は、原則として令和8年中に亡くなった人についての説明です。まず亡くなった年を確認し、その年に対応する資料を探してください。
書類がまだ不足している段階で、熊本県内から相続税申告について相談できますか?
はい、宮伸一税理士事務所は熊本県内を対象地域とし、相続税申告を取扱領域としています。ただし、個別案件で確認できる範囲は別途確かめる必要があります。手元にある財産の情報と不足している書類を分けて伝え、何から確認するか相談してください。
運営者
宮伸一税理士事務所