熊本県内でご家族が亡くなられ、生命保険の死亡保険金を受け取るとき、「500万円×法定相続人の数」を自分の受取額からそのまま差し引けるのか、迷うことがあります。先に確かめたいのは、亡くなった方が保険料の全部または一部を負担していたか、受取人が誰かという点です。受取人が相続人に当たるかどうかで、非課税の取扱いも変わります。
限度額に用いる人数は、身近な家族を数えるだけでは決まりません。相続放棄がある場合や養子がいる場合には、保険金を受け取る人への非課税の適用と、限度額を計算する人数を分けて確認します。保険証券や保険料負担を確かめられる資料、受取額が分かる資料を集め、死亡保険金だけで相続税申告の要否を決めずに検討を進めます。
SECTION 01
熊本で死亡保険金を受け取るとき、最初に何を確かめる?
熊本県内にお住まいのご家族が亡くなられ、死亡保険金を受け取る予定があるとき、受取予定額からすぐに非課税限度額を差し引くことはできません。まず、亡くなった方の死亡によって支払われる保険金か、保険料の全部または一部をその方が負担していたか、誰が受け取るかを分けて確かめます。この順序なら、保険金が相続税の対象となる条件と、受取人に非課税が適用される条件を混同せずに済みます。
金額より先に、負担と受取人を確認
亡くなった方が保険料の全部または一部を負担していた死亡保険金は、相続等により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。一方、対象となる保険金でも、非課税の扱いを確認するには受取人が相続人に当たるかを確かめる必要があります。契約ごとに負担の状況と受取人を確認してから、受取額の比較へ進みます。
参照先(保険料負担と相続税の対象になる条件を確かめる。/相続人全員の受取額と限度額の比較を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
SECTION 02
保険料を亡くなった方が負担していたか?
保険証券に書かれた契約者の名前だけを見て、亡くなった方が保険料を負担していなかったと決めることはできません。亡くなった方の死亡によって取得した保険金について、保険料の全部または一部をその方が実際に負担していたなら、相続等により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。負担したかどうかが分からない契約は、名前から推測せず確認を待ちます。
家族名義の契約も確認の対象に
国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、契約者が家族名義などでも、亡くなった方が保険料を負担していた生命保険契約がないかを確認項目に挙げています。保険証券や保険料の支払いに関する資料を見ながら、契約者の名前と実際の負担を分けて確かめてください。チェックシートを利用するときは、相続が始まった年に対応する掲載様式かも確認します。保険料の負担関係が異なる契約について、この段階で税目を推測する必要はありません。
参照先(保険料負担と相続税の対象になる条件を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
参照先(家族名義の契約でも保険料負担を確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 03
受取人が相続人かどうかで何が変わる?
対象となる死亡保険金を受け取る人が相続人なら、相続人全員が受け取った保険金の合計額を非課税限度額と比較します。合計額が限度額を超える場合、超えた部分が相続税の課税対象となります。この扱いでいう受取人としての相続人には、相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。保険金を受け取ることと、非課税が適用されることを同じものとして考えないことが大切です。
受取人の資格と人数の算定は別
受取人が相続人以外の人である場合、その人の取得した死亡保険金にこの非課税の適用はありません。ここで確認するのは、あくまで受取人に非課税が適用されるかどうかです。受取人に非課税が適用されないことを理由に、その保険金を相続税の計算から除外できると判断するものではありません。複数の受取人がいるときは、それぞれについて相続人に当たるかを確かめたうえで、相続人全員の受取額を把握します。
参照先(相続人全員の受取額と限度額の比較を確かめる。/相続人以外の受取人への非課税の適用を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
SECTION 04
配偶者と子は相続人の範囲に入る?
受取人が亡くなった方の配偶者や子である場合も、まずその関係を確認します。法律上の配偶者は常に相続人となりますが、内縁関係の人は相続人に含まれません。「配偶者」と呼んでいたか、同居していたかだけで、法律上の配偶者に当たると決めないことが重要です。受取人と亡くなった方の関係が確認できないときは、相続人に当たるという前提を置かずに確認を進めます。
子は第1順位、ただし放棄の有無も確認
亡くなった方の子は第1順位の相続人です。ただし、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされるため、受取人が子であっても放棄の有無を確かめる必要があります。国税庁ホームページの「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」は、配偶者と子の相続人の範囲を確認する先になります。受取人それぞれの関係を確認した後で、非課税限度額を求めるための人数を別に考えます。
参照先(配偶者が相続人に当たるか確かめる。/子の相続順位と相続放棄の扱いを確かめる。):国税庁ホームページの「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」
SECTION 05
500万円を掛ける人数と、比較する受取額は?
対象となる死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」で求めます。ここで人数を掛けて得た金額は、受取人一人ひとりがそれぞれ全額を使える限度額という意味ではありません。受取人が複数いる場合でも、まず相続人全員が受け取った対象の保険金の合計額と、一つの非課税限度額を比較します。個々の受取額だけが限度額以下かを見ても、超える部分があるかは判断できません。
比較するのは相続人全員の受取額の合計
相続人全員の受取額の合計が非課税限度額を超えるときは、その超える部分が相続税の課税対象となります。確認の際は、限度額の計算に用いる法定相続人の数と、対象となる保険金を相続人がそれぞれいくら受け取ったかを分けて把握してください。まだ受取額が確定していない人がいれば、分かっている額だけで結論を出さず、その人の額を確認待ちとしておきます。次に、相続放棄がある場合の人数の扱いを確かめます。
参照先(相続人全員の受取額と限度額の比較を確かめる。/非課税限度額の算式を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
SECTION 06
相続放棄した人は受取資格と人数でどう扱う?
相続放棄をした人が死亡保険金を受け取った場合、その人は、この非課税の適用を受ける「相続人」には含まれません。一方、非課税限度額に用いる法定相続人の数は、放棄がなかったものとした場合の相続人の数で算定します。同じ放棄の事実でも、受取人に非課税が適用されるかという問いと、限度額に何人を用いるかという問いでは扱いが異なります。
放棄した受取人と限度額の人数を混同しない
放棄した人を非課税の適用を受ける相続人として扱わないことと、限度額を求める人数からその人をそのまま差し引かないことを、分けて確認してください。たとえば放棄の有無だけを見て受取人全員の扱いを一律に決めたり、放棄後に残った相続人だけを数えたりすると、二つの判断が混ざります。誰が受け取ったか、誰が放棄したかを確かめてから、放棄がなかった場合の人数を考えます。
参照先(相続人全員の受取額と限度額の比較を確かめる。/相続放棄があるときの限度額の人数を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
SECTION 07
養子がいるとき、相続人の範囲と税計算上の人数をどう分ける?
養子がいる場合は、誰が相続人に当たるかと、死亡保険金の非課税限度額に用いる人数を分けて考えます。死亡した人の子は第1順位の相続人です。ただし、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。子の相続順位と相続放棄の扱いは、国税庁ホームページの「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」で確認できます。
養子の人数制限は相続税の計算上のもの
国税庁ホームページの「No.4170 相続人の中に養子がいるとき」では、死亡保険金の非課税限度額などの計算に用いる法定相続人の数について、含める養子の人数制限を示しています。被相続人に実子がいる場合は原則1人まで、実子がいない場合は原則2人までです。この制限を、養子の身分上の地位が決まる基準と取り違えないでください。
特別養子縁組により被相続人の養子となった人など、相続税の計算上、実子として扱われる類型があります。また、養子を人数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合、その原因となる養子は人数に含められません。実子の有無だけで人数を決めず、養子ごとの事情も確かめます。
参照先(子の相続順位と相続放棄の扱いを確かめる。):国税庁ホームページの「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」
参照先(養子について税計算上の人数制限があるか確かめる。/実子がいる場合の養子の人数制限を確かめる。/実子がいない場合の養子の人数制限を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4170 相続人の中に養子がいるとき」
SECTION 08
受取人が複数いる場合、どの金額を確認する?
受取人が複数いるときは、まず相続人が受け取った対象の死亡保険金を合計し、非課税限度額と比べます。相続人全員の受取額の合計が限度額を超える場合、その超える部分が相続税の課税対象です。限度額を各相続人がそれぞれ全額使えるものとして、個別の受取額から差し引くわけではありません。
合計額の比較と各人の金額は別に確認する
合計額を確認した後は、各相続人が受け取った金額を区別して、各人に係る課税金額を確認します。この計算には、相続税の申告書第9表「生命保険金などの明細書」を使用できます。第9表を使えるということだけで、個別の課税金額が確定するわけではありません。誰が相続人として受け取ったか、各人の受取額はいくらかを確かめたうえで用います。
参照先(相続人全員の受取額と限度額の比較を確かめる。/各相続人に係る金額を確認する際の申告書様式を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
SECTION 09
保険契約を確かめるには何を手元に用意する?
保険金の受取額を確かめるだけでなく、契約の内容と保険料を誰が負担したかも確認します。例えば国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、生命保険関係の検討資料として保険証券と支払保険料計算書を挙げています。両方を手元で探し、契約について分かることと、負担状況についてなお確認が必要なことを分けておくと、家族名義の契約も点検しやすくなります。
同チェックシートには、家族名義などの契約で被相続人が保険料を負担していたものがないかという確認項目もあります。名義だけを見て確認を終えず、保険料負担について分からない契約は確認待ちとして残します。チェックシートを利用するときは、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」から、相続が始まった年に対応する様式を確認してください。
参照先(保険契約と保険料負担を確かめる資料を確認する。/家族名義の契約でも保険料負担を確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 10
家族名義の契約や別の保険金を見落としていない?
確認済みの保険金だけで終わらせず、ほかに受け取った死亡保険金がないかを点検します。国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、相続税申告の準備で生命保険金の計上漏れを確認する項目を設けています。保険金を受け取った人が複数いる場合も、自分の受取分だけを見て終えないことが大切です。利用するときは、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」から、相続が始まった年に対応する様式を確認します。
家族名義でも保険料負担を確かめる
同チェックシートは、家族名義などの生命保険契約について、被相続人が保険料を負担していなかったかも確認項目に挙げています。契約者の名義だけで相続税の対象かどうかを決めず、契約ごとに保険料負担を確かめます。被相続人の死亡によって取得した生命保険金で、保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続等により取得したとみなされ、相続税の課税対象となります。
参照先(保険料負担と相続税の対象になる条件を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
参照先(申告準備で生命保険金の計上漏れを確認する。/家族名義の契約でも保険料負担を確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 11
熊本県内で死亡保険金を含む相続税申告を相談するとき、何を伝える?
熊本県内で死亡保険金を含む相続税申告について相談したい場合は、保険契約、保険料負担、受取人、受取額について、分かっていることから伝えてください。保険証券や支払保険料計算書が手元にあるかも知らせ、見つからない資料や負担者を確認中の契約は、そのまま確認待ちとして伝えられます。契約の名義だけでは、被相続人による保険料負担の有無は決められません。
宮伸一税理士事務所は、熊本県内を対象地域とし、相続税申告を取扱領域としています。所長税理士が直接担当する方針ですが、個別案件の受任や税額が決まっているわけではありません。手元で確認できた資料と、まだ確かめたい契約を知らせ、何から確認するかを事務所と一緒に整理できます。ご連絡の際は、宮伸一税理士事務所の問い合わせページからお願いします。
参照先(保険料負担と相続税の対象になる条件を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
参照先(保険契約と保険料負担を確かめる資料を確認する。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 12
非課税限度額を確認した後、何を確認待ちにする?
死亡保険金の非課税限度額は、500万円に相続税の計算上の法定相続人の数を掛けて求めます。ただし、限度額が分かっても、それだけで相続税申告の要否や税額は決まりません。相続人が受け取った対象の死亡保険金については、相続人全員の受取額の合計を限度額と比較し、超える部分があるかを確認する必要があります。
分かったことと、まだ確かめることを分ける
保険契約については、被相続人の死亡によって取得した生命保険金か、保険料の全部または一部を被相続人が負担したかを確認します。一方、受取人ごとの金額や相続全体の財産債務がそろわなければ、死亡保険金だけから相続税申告の要否を判断できません。分からないことを推測で埋めず、確認待ちの項目、確認先、確認予定を残してください。相続税申告を扱う税理士に相談する際も、確認済みのことと確認待ちのことを分けて伝えられます。
参照先(保険料負担と相続税の対象になる条件を確かめる。/相続人全員の受取額と限度額の比較を確かめる。/非課税限度額の算式を確かめる。):国税庁ホームページの「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
FAQ
よくある質問
相続放棄をした人が死亡保険金を受け取った場合、その人に非課税は適用されますか?
いいえ。死亡保険金の非課税が適用される受取人としての相続人には、相続放棄をした人は含まれません。一方、非課税限度額に用いる法定相続人の数は放棄がなかったものとして数えるため、受取人への適用と人数を分けて確認してください。
亡くなった方に実子がおらず、養子が3人いる場合、限度額の人数に3人とも含めますか?
いいえ、相続税計算上の人数に含める養子は、実子がいない場合、原則として2人までです。ただし、実子として取り扱われる類型や、養子を含めることで税負担を不当に減少させる場合の取扱いもあるため、養子縁組の内容を確認してください。
保険の契約者が家族名義なら、亡くなった方の保険料負担を調べなくてもよいですか?
いいえ。家族名義などの契約でも、亡くなった方が保険料を負担していたものは確認が必要です。保険証券や支払保険料計算書などを手がかりに、実際の負担状況を確かめてください。
運営者
宮伸一税理士事務所