熊本市にお住まいのご家族が亡くなられ、証券会社からの郵便物や株券が見つかったものの、保有していた有価証券の全体像が分からないことがあります。相続税申告に向けては、目についた上場株式だけで評価額を考える前に、ほかの種類の有価証券や株数の増加分など、確認できていない項目がないかを調べることが大切です。
例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、有価証券の計上漏れや上場株式の評価を確かめる項目があります。手元の証券、株券、通帳、配当金支払通知書などで何が分かり、何がまだ分からないかを分けておけば、相続税申告について相談する際にも状況を伝えやすくなります。個別の評価額は、資料を確認せずに決めないようにしましょう。
SECTION 01
最初に、上場株式以外の有価証券も調べる必要がある?
熊本市にお住まいのご家族が亡くなられ、手元に上場株式の資料が見つかっても、それだけで有価証券の確認を終えることはできません。相続税申告に向けては、見つかった銘柄の評価を急ぐ前に、ほかの種類の有価証券に見落としがないかを調べることが大切です。
銘柄ではなく、まず種類を広げて見る
例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、株式・出資・公社債・貸付信託・証券投資信託の受益証券等について、計上漏れがないかを確認する項目があります。上場株式の資料しか見つかっていないなら、そのほかの種類についても、手元に確認できるものがあるかを分けて考えます。
このチェックシートは、相続税の申告書を作成するときに一般に誤りやすい事項をまとめたものです。使う際は、対象となる相続開始年に合う様式かを、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」で確認してください。種類を見渡した後は、各項目について何の資料が手元にあるかを調べます。
参照先(申告準備で確認する項目の性格を確かめる。/準備時に確認する有価証券の種類を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 02
証券、株券、通帳はそれぞれ手元にある?
有価証券の種類を広げて考えたら、次は存在を調べる手がかりを確認します。例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、有価証券の計上漏れを調べる資料として、証券、株券、通帳またはその預り証を挙げています。
見つかった資料と、見つからない資料を分ける
手元にあるものについては、証券、株券、通帳、預り証のどれが見つかったかを区別して整理します。一つ見つかったからといって、ほかの資料もそろっているとは限りません。見当たらないものは、保有がないと推測して埋めず、確認待ちの項目として残しておくと、次に何を調べるかが明確になります。
これらは有価証券を調べるための資料の例であり、資料があることと、個々の保有状況が確定することは別です。反対に、手元で資料が見つからないことだけをもって、有価証券が存在しないとも判断できません。資料を整理した後は、そこに記された名義についても確認が必要です。
参照先(有価証券の確認に使う資料の例を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 03
名義が違う有価証券は確認対象から外してよい?
証券や株券を調べていて、ご家族が亡くなられた方とは違う名義に気づいても、それだけで確認対象から外さないでください。例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、名義が異なっていても被相続人に帰属する有価証券がないかを確認する項目があり、無記名の有価証券も含まれています。
名義の違いは、帰属を調べる入口
異なる名義は、亡くなられた方に帰属する証明にも、帰属しない証明にもなりません。見つかった資料の名義と、どの有価証券について確認が必要なのかを分けて整理し、帰属が分からないものは確認待ちとして残します。名義がない有価証券も、名前で振り分けられないからという理由で見落とさないことが大切です。
ここでは個々の有価証券が誰のものかを決めるのではなく、相続税申告に向けて帰属の確認が必要な項目を拾います。名義の確認を終えたつもりでも、株式については記録している株数自体に漏れがないか、別に調べる必要があります。
参照先(異なる名義や無記名の有価証券について確認する項目を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 04
増資による株数の増加や端株を見落としていないか?
株式の銘柄が分かっても、把握している株数だけで確認を終えないようにします。増資等による増加分や端株が抜けていないかは、銘柄の有無とは別の確認点です。例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、その確認に使う資料として、保有株数が表示された配当金支払通知書を挙げています。
配当金支払通知書で見るのは株数の手がかり
通知書が手元にあれば、そこに記された保有株数を確認し、整理している株数と違いがないかを調べます。増加分や端株について確認できていない場合は、単に銘柄が記録されているというだけで確認済みにせず、未確認の内容を残しておきます。
配当金支払通知書に株数が記されていても、その記載だけで全保有株数が確定するとは限りません。通知書は株数の見落としを調べる手がかりとして扱い、評価額を決める資料と混同しないことが重要です。株数を確認した後も、株式そのもの以外に関係する権利がないかを調べます。
参照先(株数の確認に役立つ資料を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 05
株式の割当を受ける権利や配当期待権はある?
保有する株式の銘柄と株数を整理しても、それだけでは確認が終わらない場合があります。例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、株式の割当を受ける権利や配当期待権がないかを確認する項目があります。株式そのものの数量とは分けて、有無を調べる項目です。
株式と、株式に関係する権利を分けて確認
銘柄や株数を把握した段階で、これらの権利もあると決めつけることはできません。一方、株数の記録に権利が書かれていないだけで、ないと判断することも避けたいところです。割当を受ける権利と配当期待権をそれぞれ確認する項目として残し、確かめられたことと、まだ確かめられていないことを区別します。
チェックシートは、これらの権利の確認に関して評価明細書等も挙げています。ただし、資料を確認する前に個々の権利の有無や評価額を断定することはできません。関連する権利まで見渡したら、次は国内で見つかった有価証券だけで範囲を区切っていないかを確認します。
参照先(株式そのもの以外に確認する権利を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 06
国外の有価証券も保有していた可能性がある?
国内の有価証券に関する資料を調べ終えても、それだけで保有する有価証券の範囲を確定しないようにします。例えば、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、日本国外の有価証券がないかを確認する項目があります。国外に関係する有価証券の有無は、国内で見つかったものとは別に確かめる判断点です。
国内の資料だけで調査を終えない
手元で国内の有価証券しか確認できていない場合、国外の有価証券についても確認が済んでいるのか、まだ調べていないのかを区別します。国外のものが見つからない段階で「ない」と書き切るのではなく、確認待ちの項目として残しておけば、保有範囲の見落としを防ぐために何を確かめる必要があるかが分かります。
ここで調べるのは国外の有価証券を保有していたかどうかであり、その評価方法ではありません。国内か国外かを問わず、まず確認できた保有項目と未確認の項目を分けます。その後、上場株式の評価を確かめる際には、保有の有無を調べる資料と評価を確認する資料を混同せずに扱います。
参照先(国外の有価証券も確認対象に入るか確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 07
上場株式の評価は何の資料で確かめる?
上場株式が見つかったら、保有の有無を調べる資料と、相続税の計算に用いる評価を確かめる資料を分けて考えます。国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、上場株式の評価に誤りがないかを確認する資料として、上場株式の評価明細書等を挙げています。保有していることが分かっただけで、評価の確認まで終わったわけではありません。
評価明細書等で確認する段階を分ける
評価明細書等は、上場株式の評価を点検する際の資料です。手元にあるかを確かめ、まだ確認できていない銘柄があれば区別しておくと、評価の確認をどこから始めるか考えやすくなります。ただし、資料名だけから個別銘柄の評価方法や使う株価、評価額を決めることはできません。
参照先(上場株式の評価を確認する際の資料を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 08
利付債や割引債を額面だけで評価していないか?
利付債や割引債が見つかった場合は、上場株式の評価確認とは別の疑問が生じます。国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、これらの債券を額面で評価していないかを確かめる項目があります。額面が分かっていても、その金額をそのまま相続税の計算に用いる評価額と決めつけないための確認です。
まず、見つかった債券が利付債か割引債かを確認し、額面だけを根拠に評価額を置いていないか見直します。種類や評価について確認できていない点があれば、そのまま確認待ちにしておきます。この項目は評価上の見落としを防ぐ問いであり、額面以外の具体的な金額を示すものではありません。
参照先(債券の評価について別途確認が必要な点を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
SECTION 09
有価証券の評価額は相続税の計算にどう関係する?
有価証券ごとの評価を確かめた後は、相続税全体の計算へ論点が移ります。国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」で示される相続税の計算の一般的な順序では、まず相続や遺贈、相続時精算課税の適用を受ける財産を贈与によって取得した人ごとに、課税価格を計算します。有価証券一つの評価額と、取得した人ごとの課税価格は同じものではありません。
相続時精算課税適用財産を課税価格に算入する際には、贈与を受けた時期によって扱いに関する記載もあります。そのため、有価証券の評価が分かったというだけで、誰の課税価格がいくらになるかまでは確定できません。個々の財産の評価を確認する段階と、取得した人ごとの相続税の計算を進める段階を区別することが大切です。
参照先(有価証券の確認後、相続税の計算で課税価格を誰ごとに算出するか確かめる):国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」
SECTION 10
上場株式の評価額へ相続税の税率を掛ければよい?
いいえ。上場株式の評価額に相続税の税率を直接掛けて、相続税額を出すわけではありません。相続税の計算では、まず財産を取得した人ごとの課税価格を計算します。有価証券単体の評価額が分かっても、それだけで税率を適用する金額にはなりません。
税率を適用するのはどの金額か
相続税の総額を算出する際は、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額を法定相続分であん分し、その法定相続分に応ずる取得金額に税率を適用します。この計算の流れは国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」、税率の適用先は国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」で確認できます。実際に取得した上場株式の価額へ直接税率を掛ける計算とは区別してください。
参照先(有価証券の確認後、相続税の計算で課税価格を誰ごとに算出するか確かめる):国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」
参照先(上場株式の評価額に相続税の税率を直接掛けないことを確かめる/相続税の税率を適用する金額を確かめる):国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」
SECTION 11
熊本市で相続税申告を相談する際、手元の何を伝える?
熊本市にお住まいのご家族が亡くなられ、有価証券について相続税申告を相談する際は、確認できた種類や株数と、手元にある資料を伝えるところから始められます。国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」は、計上漏れを調べる資料として証券、株券、通帳またはその預り証を挙げています。ただし、これらがあるだけで個別の保有状況がすべて確定するとは限りません。
株数と評価の確認状況を別々に伝える
増資等による増加分や端株が気になる株式については、保有株数が表示された配当金支払通知書の有無も伝えられます。通知書だけで全保有株数を確定せず、上場株式の評価明細書等があるかどうかも別に確認します。何が確認済みで、どの株数や評価が確認待ちなのかを分けて伝えると、何から調べるかを相談しやすくなります。
宮伸一税理士事務所は熊本県内を対象地域とし、相続税申告サービスの内容に金融資産などの評価を掲げています。熊本市にお住まいの方も、手元の資料と不足している情報を知らせたうえで、相続税申告に向けた確認事項を相談できます。個別の案件でどこまで対応できるかは相談時に確かめてください。
参照先(有価証券の確認に使う資料の例を確かめる。/株数の確認に役立つ資料を確かめる。/上場株式の評価を確認する際の資料を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
参照先(事務所に相談できる金融資産の評価に関する内容を確かめる。):宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」
SECTION 12
資料がそろわない段階で評価額を決めてよいか?
資料がそろわない段階で、有価証券の評価額を推測して決めるのは避けましょう。相続財産に含まれる有価証券を調べるときは、株式・出資・公社債・貸付信託・証券投資信託の受益証券等に漏れがないかという確認と、数量や評価の確認を分けます。国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、これらの計上漏れを確かめる項目があります。利用する際は、対象となる相続開始年に対応した最新の様式かを、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」で確認してください。
未確認の点は金額に置き換えない
株数に増加分や端株が含まれるか確認できない場合は、保有株数が表示された配当金支払通知書など、手元の資料と確認待ちの点を分けておきます。上場株式については評価明細書等による確認が残っていないか、利付債や割引債がある場合は額面だけで評価していないかも、別々に確かめる必要があります。いずれの資料や確認項目も、それだけで個別の保有株数や評価額を確定するものではありません。
参照先(準備時に確認する有価証券の種類を確かめる。/株数の確認に役立つ資料を確かめる。/上場株式の評価を確認する際の資料を確かめる。/債券の評価について別途確認が必要な点を確かめる。):国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」
FAQ
よくある質問
証券口座が見つかっていなくても、配当金支払通知書は確認したほうがよいですか?
はい。保有株数が表示された配当金支払通知書は、増資等による株式の増加分や端株の計上漏れを確認する資料として挙げられています。ただし、それだけで全保有株数が確定するとは考えず、通知書から分かることと、ほかの資料で確かめたいことを分けておいてください。
亡くなった家族と名義が違う有価証券は、確認しなくてよいですか?
いいえ。名義が異なっていても被相続人に帰属する有価証券がないかは、無記名のものも含めて確認する項目です。一方、名義が違うだけで帰属を決めることもできないため、見つかった証券や預り証などの情報を整理して確認してください。
利付債や割引債の額面が分かれば、相続税申告に用いる評価額も決まりますか?
いいえ。国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」には、利付債や割引債を額面で評価していないかという確認項目があります。債券の種類と手元にある資料を確かめ、個別の評価額は資料に基づいて確認してください。
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