熊本県内にお住まいのご家族が亡くなられ、実家が空き家になったときは、家の状態への対応と相続の手続きを同時に考えることになります。まず現地の状況と、誰が家のことを把握し、連絡を取り合えるかを確かめると、これから話し合う事柄を分けやすくなります。
家を今後どう扱うかと、相続税申告が必要かどうかは、別々に確認したい問題です。空き家への対応について情報を探す一方、税務面では実家の土地と建物を区別し、相続財産の情報を確かめます。どの段階で何を確認できるのか、判断が分かれる場面に沿って見ていきます。
SECTION 01
実家が空き家になった直後、何を先に確かめる?
ご家族が亡くなり、熊本県内の実家が空き家になったときは、「家をどうするか」と「相続税申告が必要か」を一度に決めようとしなくて大丈夫です。まずは実家の今の状態と、連絡を取れる人を分けて確かめます。家を見に行ける人がいるかどうかも、現状を把握するための確認事項です。
分かっていることから確認する
- 建物や敷地について、実際に見て分かっていることと、まだ確認できていないことを分ける。
- 現在、実家に出入りしたり、家について連絡を受けたりしている人がいるか確かめる。
- 家のことで連絡できる親族などを確認し、それぞれが把握している状況を聞く。
遠方に住んでいて現地を見ていない場合や、誰が今対応しているか分からない場合は、聞いた話だけで建物の状態や管理している人を確定しないようにします。「未確認」として残し、誰に、いつ確かめるかを決めておくと、関係者との話し合いを始めやすくなります。この段階で家への対応方針が決まらなくても、相続税申告の要否は別に確認する必要があります。
SECTION 02
関係者が複数いるとき、管理の話を誰と始める?
実家について連絡を始めるときは、話し合いたい相手と、すでに現地で対応している人を区別します。例えば、鍵を持っている人や家の様子を知っている人に現状を聞くことと、今後の扱いを関係者と話すことは別です。最初の連絡では、何を知っているかに加え、これまでに何が話し合われ、どこまで合意されているかを確かめます。
連絡する前に、決まったことと未決定のことを分ける
国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」には、相続等によって所有者等が多数存在する空き家の適正管理に関する平成29年の事例が掲載されています。ただし、事例があることから、目の前の実家の所有関係や、誰に管理する権限・義務があるかは判断できません。関係者の認識が違うときほど、掲載事例を結論に当てはめず、実家について確認できた事実を共有することが大切です。
話し合いでは、現に誰がどのような対応をしているかを聞き、今後の対応については合意済みかどうかを確かめます。連絡が取れていない人や、確認待ちの事項があれば、そのまま記録しておきます。現状の把握と合意の確認を分けておくと、管理方法を検討する際にも、決まっていないことを決まったこととして扱わずに済みます。
参照先(所有者等が複数いる空き家について、掲載されている管理事例を確認できます。):国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」
SECTION 03
管理・活用・除却のどれを検討する?
関係者と現状を共有できたら、今の状態にどう対応するかと、将来その家をどう利用するかを分けて考えます。例えば、当面の状態を確認しながら管理を続ける話と、活用や除却を検討する話では、確かめたい内容が異なります。現地の状態や関係者の意向が分からないまま、どれか一つを実家に適した方法と決めることはできません。
事例は選択肢を考える手掛かりにする
国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」では、地方公共団体による適正管理、活用、解体・除却などの取組事例が案内されています。事例を読む際は、管理を続ける場合の話なのか、利用方法を考える話なのか、それとも除却に関する話なのかを分けて見ると、関係者と何を話したいか整理できます。
掲載されているのは各地の取組事例であり、熊本県内の実家がある自治体で同じ施策を利用できるという意味ではありません。まず実家の現状について未確認の点を残し、将来の利用について関係者が何を希望しているかを聞いてから、所在地で確かめる事項を絞ります。家への対応方法を選ぶ話と、相続税申告の要否を調べる話も混同しないようにします。
参照先(地方公共団体による空き家の管理・活用・除却の取組事例を確認できます。):国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」
SECTION 04
熊本の実家について、地域の相談先をどう探す?
管理・活用・除却について関係者と話し始めたら、地域の情報は「実家が所在する場所」を基準に探します。相談する人の住まいが熊本県内でも、実家の所在地が違えば、確認すべき自治体も違います。最初に所在地を確かめ、家の現状と、何について相談したいかを分けて伝えられるようにしておくとよいでしょう。
取組事例と所在地の案内は分けて確認する
国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」は、地方公共団体の適正管理、活用、解体・除却などの取組事例を知る手掛かりになります。一方、そこに載っている事例だけでは、実家がある自治体の相談窓口や、利用できる制度の有無までは分かりません。気になる取組が見つかっても、所在地の自治体で実際の案内を確認します。
- 実家の所在地を確認し、その自治体が案内する空き家の相談先を探す。
- 管理、活用、除却のうち、何について相談したいのかを伝える。
- 利用できる取組があるか、その実家について確認が必要な事項は何かを尋ねる。
窓口や制度が見つからない段階では、他の自治体の事例をそのまま利用できるものとして予定に組み込まないことが大切です。所在地での確認結果と、関係者の間でまだ決まっていないことを分けておけば、次に誰と何を話すかを整理できます。
参照先(地方公共団体による空き家の管理・活用・除却の取組事例を確認できます。):国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」
SECTION 05
相続放棄を考えている場合、空き家の扱いはどう確かめる?
相続放棄を考えている場合、実家について今後どうするかという話と、放棄後に誰が管理上の責任を負うのかという話は分けて確認します。「放棄を考えているから管理とは無関係になる」「現に家を見ている人が責任を負う」といった結論を、実家の事情を確かめずに出すことはできません。まず、実家の状態や、現在誰が対応しているかについて、分かっていることを整理します。
案内の入口だけで責任を判断しない
国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」には、改正民法の施行に伴う相続放棄者の空き家管理責任について、詳しい情報へ進む入口があります。ただし、その案内に入口があるというだけで、個別の実家について責任があるか、誰が負うかは分かりません。掲載事項を確認することと、自分たちの事情に照らして判断することを区別してください。
責任について相談する際は、放棄を検討している人、実家の現在の状態、現に対応している人について、確認済みのことと確認待ちのことを伝えます。管理責任の個別判断を、空き家の活用策を探す作業や相続税申告の要否の確認で置き換えないようにしましょう。
参照先(相続放棄後の空き家管理に関する詳細情報への入口を確認できます。):国土交通省ホームページの「空き家対策に関する情報提供」
SECTION 06
空き家の管理と相続税申告は、なぜ別に考える?
実家を当面管理する、活用を考える、除却を検討するといった方針は、家にどう対応するかという判断です。それだけで相続税申告の要否は決まりません。反対に、相続税申告の要否を調べても、誰が現地で対応するかや、将来家をどう扱うかが決まるわけではありません。確認先と判断する内容を分けて進めます。
入力による判定で分かる範囲
国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」は、相続財産の金額などを入力し、入力した内容に基づいて相続税申告のおおよその要否を調べるためのものです。申告書を作成するものではなく、判定結果をそのまま申告書の作成結果として扱うことはできません。申告そのものについて調べるときは、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」を確認します。実家についてまだ確かめていない情報があるなら、推測した内容と確認できた内容を混ぜずに整理しておきます。
家の管理方針を関係者と話す一方で、税務については入力に必要な情報を別に確かめます。どの情報が未確認かを把握しておけば、判定を利用する際にも、その結果が何を基にしたものか分かりやすくなります。実家の土地と建物についても、家の状態や今後の使い方の話と、相続税のために確かめる内容を分けて考えます。
参照先(入力による相続税申告の要否判定で分かる範囲を確認できます。):国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」
SECTION 07
実家の土地と建物は、同じ評価項目で考える?
実家を「空き家」と呼んでいても、相続税の計算に用いる土地と建物の評価額を、その呼び方だけで決めることはできません。国税庁ホームページの「財産評価」には、土地の評価上の区分・評価単位と、家屋の評価に関する項目が別々に設けられています。評価額が分かった後に相続税の計算がどう進むかは、国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」で確認できます。
土地と家屋は分けて確認する
家について話し合うときは一つの「実家」として考えられても、評価を調べる際は土地に関する項目と家屋に関する項目を分けて見る必要があります。ただし、項目があることから、対象の土地・建物にどの評価方式を使うか、いくらになるかまでは分かりません。空き家であることによって家屋の評価額が増減するとも、この項目の掲載だけでは判断できません。
参照先(実家の土地の評価上の区分と評価単位に関する項目を確認できます。/実家の建物について、家屋の評価に関する項目を確認できます。):国税庁ホームページの「財産評価」
SECTION 08
申告要否判定コーナーで何が分かる?
実家を含む相続財産の金額などを確認し始めたら、国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」を利用して、相続税申告の要否を調べることができます。得られるのは入力した内容に基づくおおよその判定であり、実家をどう扱うかという家族の方針や、入力前にはっきりしていない金額まで確定するものではありません。
判定結果は申告書ではない
判定コーナーで結果を確認しても、相続税の申告書は作成されません。土地や建物の金額がまだ定まらず、入力内容に迷う場合は、その点を残したまま結果を確定的な結論として扱わないことが大切です。家の管理方針と相続税申告の要否も、別の問題として確認します。
参照先(入力による相続税申告の要否判定で分かる範囲を確認できます。):国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」
SECTION 09
判定後、相続税申告についてどこを確認する?
判定コーナーで相続税申告の要否のおおよその見通しを得た後、申告そのものを調べる場合は、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」を確認します。判定コーナーは入力した金額などに基づくおおよその判定を行うもので、申告書を作成するものではありません。一方、「相続税の申告のしかた」には、相続税の申告を扱う箇所があります。
令和8年分用の「相続税の申告のしかた」は、令和8年4月1日現在の法令等に基づき、原則として令和8年1月1日から12月31日までに亡くなった人に係る申告を説明しています。亡くなった年を確かめずに、その資料が対象の相続に対応すると考えないようにします。また、申告を扱う箇所が掲載されていることだけで、個別の申告要件が満たされるかどうかは決まりません。
参照先(入力による相続税申告の要否判定で分かる範囲を確認できます。):国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」
参照先(令和8年分の相続税申告を扱う箇所を確認できます。/令和8年分の説明が原則として対象とする死亡時期を確認できます。):国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」
SECTION 10
判定への入力と申告時の提出では、書類案内をどう使い分ける?
書類の案内は、何のために見るかで分けます。国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」には、判定の入力に当たって参考となる書類の案内があります。国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」には、申告の際に提出する主な書類を扱う箇所があります。前者は入力するとき、後者は申告について調べるときの案内です。
案内の目的を取り違えない
二つの案内に載る書類が同じかどうかや、対象の相続で何を提出するかは、案内の項目があるというだけでは決められません。「相続税の申告のしかた」の令和8年分用は、令和8年4月1日現在の法令等に基づき、原則として令和8年中に亡くなった人に係る説明です。申告の準備項目を具体的に確かめるには、国税庁ホームページの「相続税の申告のためのチェックシート」の原本も別途確認する必要があります。
参照先(判定コーナーへの入力に当たって参照できる書類の案内を確認できます。):国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」
参照先(令和8年分の申告時に提出する主な書類を扱う箇所を確認できます。/令和8年分の説明が原則として対象とする死亡時期を確認できます。):国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」
SECTION 11
相続登記と相続税申告は、どこに相談する?
実家について相続登記と相続税申告の両方が気になる場合は、相談したい内容を分けて伝えると、担当範囲を確認しやすくなります。宮伸一税理士事務所は相続税申告と生前の相続税試算を案内しています。一方、相続登記などの不動産手続きについて案内しているのは、司法書士等の外部専門家の紹介であり、事務所が登記を代行するという意味ではありません。
相続税申告について聞きたいことと、登記について聞きたいことが両方あるなら、その旨を相談時に伝えてください。外部専門家を紹介してもらえるかどうかも、そのときに確認します。税務の相談先が決まっただけで、不動産手続きまで済むとは考えず、それぞれの相談内容を区別しておくとよいでしょう。
参照先(相続税申告と生前の相続税試算について、事務所の案内を確認できます。/相続登記などの不動産手続きについて、事務所が案内する範囲を確認できます。):宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」
SECTION 12
熊本県内の実家と相続税申告のご相談について
熊本県内の実家が空き家になり、家への対応と相続税申告のどちらから確認するか迷っている方は、まず分かっている家の状況と、税務上の疑問を分けて伝えると相談しやすくなります。例えば、家の利用状況について確認できていることと、相続税申告について知りたいことを知らせてください。分からない点は推測で埋めず、確認待ちとして伝えられます。
宮伸一税理士事務所は熊本県内を対象に、相続税申告と生前の相続税試算を案内しています。手元で確認できた情報を伝えたうえで、相続税申告について何から確かめるかを事務所と一緒に整理できます。家の管理代行や、相談前に個別の税務上の結論が決まることを意味するものではありません。ご連絡の際は、宮伸一税理士事務所の問い合わせページからお願いします。
参照先(相続税申告と生前の相続税試算について、事務所の案内を確認できます。):宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」
FAQ
よくある質問
判定コーナーに入力すれば、相続税の申告書まで作れますか?
いいえ。国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」は、相続財産の金額などを入力して申告のおおよその要否を判定するもので、申告書は作成しません。申告について調べるときは、亡くなった時期も確かめ、国税庁ホームページの「相続税の申告のしかた」のうち対象の年分に合うものを確認してください。
実家が空き家なら、そのまま相続税の評価額を決められますか?
いいえ。国税庁ホームページの「財産評価」には土地の評価上の区分・評価単位と家屋の評価に関する項目がありますが、空き家という呼び方だけでは対象の実家の評価額は分かりません。まず土地と建物を区別し、それぞれの状況を確認してください。
相続登記も宮伸一税理士事務所に依頼できますか?
いいえ、事務所自身が相続登記を行うという案内ではありません。宮伸一税理士事務所は相続税申告を案内し、相続登記などの不動産手続きについては外部専門家の紹介を案内しています。相談時には税務と登記の疑問を分けて伝え、紹介についても確認してください。
運営者
宮伸一税理士事務所