熊本市で従業員に通勤手当を支給していると、給与明細の金額は分かっていても、全額を非課税として扱ってよいのか迷うことがあります。電車・バスだけを使う人と、マイカーや自転車を併用する人では、確認する事情が異なります。まずは勤務地から一律に判断せず、一人ひとりの通勤方法と支給内容を分けて確かめましょう。
経路や定期券代を確認できる資料と、通勤手当の支給額・支給月、給与記録を照らし合わせると、何がまだ確認できていないか見えてきます。限度額を超える部分は給与の課税にも関わります。国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」で確認できる範囲を踏まえ、手元の情報をどう整理するかを考えます。
SECTION 01
通勤手当は誰への支給が非課税の対象になる?
熊本市で従業員に通勤手当を支給するときも、所在地だけで非課税額は決まりません。役員や使用人などの給与所得者に、通常の給与に加えて支給する通勤手当や通勤定期券などは、一定の限度額まで非課税となります。支給した金額の全額が非課税になるという意味ではありません。
まず支給相手と支給内容を確かめる
給与計算の前に、誰への支給か、通常の給与とは別に何を支給しているかを確かめてください。同じ「通勤費」という呼び方でも、手当として支給するのか、通勤定期券を渡すのかによって、手元で確認する支給内容が異なります。従業員ごとの通勤方法も確認しておくと、その後に適用する限度額を調べやすくなります。
参照先(給与に加えて支給する通勤手当が非課税となる範囲の基本を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 02
電車・バスだけの通勤では、どの経路と定期券代を確かめる?
電車・バスなどの交通機関だけで通勤する人については、申告された経路の定期券代をそのまま非課税限度額とするわけではありません。通勤のための運賃、所要時間、距離などを踏まえ、最も経済的かつ合理的な経路・方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額を確かめます。
申告経路と費用を照らし合わせる
例えば、従業員から聞いた利用区間と定期券代だけでは、その経路が判断の基礎になるかは決められません。利用する交通機関や経路に加え、運賃・時間・距離を確認し、申告された方法を選ぶ事情を整理します。個々の経路が条件に当てはまるかは、実際の利用内容を確かめてから判断する必要があります。
参照先(電車・バスだけで通勤する場合の経路と定期券代の判断基準を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 03
新幹線・特急の運賃とグリーン料金は同じ扱い?
新幹線や特急列車を使っているというだけで、その運賃等を一律に非課税の通勤手当に含めることはできません。利用する通勤経路・方法が最も経済的かつ合理的なものに当たる場合には、運賃等が含まれます。一方、グリーン料金はそのための料金とは認められず、含まれません。
列車の利用と別料金を切り分ける
特急を利用する人の支給内容を確認するときは、まずどの区間をどの方法で通勤しているかを確かめます。そのうえで運賃等とグリーン料金を分けて把握すれば、列車を利用する事情の確認と、含められない料金の区別を混同せずに済みます。実際の経路・方法が条件に当たるかは、利用状況を確認せずに断定しないことが大切です。
参照先(新幹線・特急列車の運賃等とグリーン料金の扱いを区別して確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 04
定期券代が高額な月の非課税限度額はどう見る?
電車・バスなどの交通機関だけを利用する人の定期券代が高額でも、支給額をそのまま非課税限度額とはしません。まず最も経済的かつ合理的な経路・方法による通勤手当や通勤定期券などの金額を確かめます。その金額が1か月当たり15万円を超える場合、非課税限度額は15万円です。
月額で上限と比べる
比較するのは、合理的な経路・方法による金額と、1か月当たりの上限です。定期券を支給している場合も、対象となる通勤方法と金額を確認してから月額で考えます。請求された金額が高いという事実だけで上限額を適用したり、反対に全額を非課税としたりせず、経路の確認と月額の比較を順に行います。
参照先(交通機関だけを利用する場合の月額の上限を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 05
電車とマイカーを併用する人は何を分けて確認する?
電車とマイカーを併用する人は、交通機関だけで通勤する人とは確認する内容が異なります。非課税限度額は、交通機関を利用する場合の1か月間の通勤定期券などの金額と、マイカーや自転車などの交通用具についての月額の限度額を合計した金額です。ただし、合計額には1か月当たり15万円の上限があります。
交通機関と交通用具を別々に確認する
従業員ごとに、二つの通勤部分を混ぜずに確かめます。
- 電車・バスなどを利用する区間と、1か月間の通勤定期券などの金額
- マイカー・自転車などを使う区間の片道距離と、駐車場利用の有無など
交通用具部分の具体的な限度額は、ここに示した情報だけでは確定できません。片道距離などが分からないまま交通機関の費用だけで併用通勤全体の限度額を決めず、必要な情報を確認してから合計額を月額上限と比べます。
参照先(交通機関と交通用具を併用する場合の合算方法と月額上限を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 06
マイカー・自転車だけの人を同じ資料で判定できる?
電車・バスを使わず、マイカーや自転車などの交通用具だけで通勤する人は、交通機関との併用通勤として扱わず、通勤方法を分けて確認します。国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」は、この場合の説明先として「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」を案内しています。
まず、その人が交通機関を使わず交通用具だけで通勤しているかを確かめてください。交通用具のみの場合の具体的な非課税限度額は、ここでは確定できません。併用通勤の説明から額を推測せず、該当する説明を確認するための通勤方法を整理しておきます。
参照先(交通用具だけで通勤する場合の別の説明先を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 07
非課税限度額を超えて支給した部分はどう扱う?
支給額と月額の限度額を分けて確認
通勤手当や通勤定期券などを支給するときは、まず、その人の通勤方法に該当する月額の非課税限度額を確認し、支給額と照らし合わせます。支給額の全額を一律に非課税または課税とするのではなく、限度額を超えているかを見ます。
月額の非課税限度額を超えて支給した場合、給与として課税されるのは超えた部分です。例えば支給額だけが分かっていても、適用する限度額が確かめられなければ、課税部分の金額は決められません。通勤手当として支給する金額と、限度額との差を確認してから、給与に含める部分を整理します。
参照先(非課税限度額を超えて支給した部分の課税区分を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 08
限度額超過分はどの月の給与記録と照らす?
支給した月の給与と対応させる
月額の非課税限度額を超える支給がある場合、その超過部分は通勤手当や通勤定期券などを支給した月の給与に上乗せして源泉徴収を行います。給与記録を見るときは、通勤に使った月だけで判断せず、実際に支給した月と、その月の給与計算が対応しているかを確かめます。支給月が分からない段階で、別の月の給与に含めたものとして扱わないことが大切です。
国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」では、超過部分について所得税および復興特別所得税の源泉徴収を行い、令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税の源泉徴収を行うと記載されています。給与記録を確認する際は、支給した月に加えて、どの年分の取扱いを確認しているかも区別してください。
参照先(限度額超過分をどの月の給与に加えて源泉徴収するか確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 09
短期間のアルバイトの通勤手当は日ごとに判定する?
パートやアルバイトなど、短期間雇い入れる人に通勤手当を支給する場合も、非課税限度額は月を単位にして計算します。勤務期間が短いことだけを理由に、限度額の計算単位を日ごとに置き換えるものではありません。出勤した日ごとに通勤手当を算出して支給している場合でも、支給の計算方法と非課税限度額の計算単位は分けて考えます。
短期勤務の人について確認したいのは、日々の支給額をそのまま「1日当たりの非課税限度額」と比較していないかという点です。国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」で示されているのは、短期間雇い入れる人についても月単位で計算するという取扱いです。まず対象となる月の支給内容を確かめ、日単位の支給記録と月単位の判定を混同しないようにします。
参照先(短期間雇い入れる人の非課税限度額を計算する単位を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 10
給与記録と通勤資料のどこを照らし合わせる?
通勤の事実と給与への支給を別々に照合
従業員ごとに、交通機関だけを使うのか、マイカー・自転車なども併用するのかを確認します。交通機関だけを使う人については、申告された経路、実際の運賃や定期券代を確かめ、運賃・時間・距離などを踏まえて判断します。経路の申告だけを見て「最も経済的かつ合理的」と確定せず、確認に必要な情報がそろっているかを見ます。
併用する人は、交通機関の1か月間の定期券などの金額と、交通用具を使う区間を分けて確認します。交通用具部分は片道距離や駐車場利用の有無などが条件になるため、交通機関の定期券代だけから併用時の限度額は決められません。該当する交通用具部分の限度額を別に確かめる必要があります。
そのうえで、通勤手当の支給額・支給月を給与記録と照らし、限度額を超える部分があれば支給した月の給与に含めているかを確認します。運賃、経路、支給月などがまだ分からない場合は推測で埋めず、未確認の項目と確認先、確認予定を記録しておくと、給与計算時に何を確かめるべきかが分かります。
参照先(電車・バスだけで通勤する場合の経路と定期券代の判断基準を確認できます。/交通機関と交通用具を併用する場合の合算方法と月額上限を確認できます。/限度額超過分をどの月の給与に加えて源泉徴収するか確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
SECTION 11
法人の申告書類を調べる資料は、通勤手当の判定にも使える?
法人税申告書別表等を探すときは、国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」で申告書類の案内を確認できます。ただし、このページは法人の申告書類を調べるためのもので、従業員への通勤手当がどこまで非課税になるかを判定する資料ではありません。書類を探す目的と、給与の課税区分を調べる目的を分けてください。
通常の給与に加えて役員や使用人などの給与所得者に支給する通勤手当や通勤定期券などは、一定の限度額まで非課税です。この基本的な取扱いと、交通機関の利用方法に該当する範囲を確認するときは、国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」を参照します。法人の申告書類が手元にあることだけでは、個々の従業員の通勤方法や支給内容までは確認できません。
参照先(給与に加えて支給する通勤手当が非課税となる範囲の基本を確認できます。):国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」
参照先(法人税申告書別表等を探す入口を確認できます。):国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」
SECTION 12
熊本県内の事業者が通勤手当の記帳・給与計算を相談するには?
通勤資料と給与記録を手元に、確認事項を相談
熊本県内で従業員に通勤手当を支給している法人や個人事業主の方は、分かっている通勤方法、支給月・支給額、給与記録と記帳の状況をお知らせください。経路や運賃など未確認のことがあれば、そのまま伝えていただければ、何から確かめるかを事務所と一緒に整理できます。
宮伸一税理士事務所の取扱領域には、法人・個人事業主の顧問業務のほか、決算申告、確定申告、年末調整が含まれます。継続的な顧問を希望するのか、決算申告や確定申告について聞きたいのか、年末調整とあわせて給与計算を確認したいのかもお伝えください。資料や記帳状況を確認した後に、対応の可否と案内できる範囲をお伝えします。ご連絡の際は、宮伸一税理士事務所の問い合わせページからお願いします。
FAQ
よくある質問
短期アルバイトには、勤務日数分だけの非課税限度額を使いますか?
いいえ。パートやアルバイトなど短期間雇い入れる人も、通勤手当の非課税限度額は月を単位に計算します。国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」で計算単位を確かめ、支給月とその月の通勤方法・支給額を確認してください。
新幹線通勤なら、グリーン料金も非課税の通勤手当に含められますか?
いいえ。新幹線などの運賃等は、経路・方法が最も経済的かつ合理的なものに該当する場合に含まれますが、グリーン料金は含まれません。定期券の内訳と利用経路を分け、国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」に示された条件と照らしてください。
電車を使わず自転車だけで通勤する人も、電車・バス通勤者の説明だけで限度額を決められますか?
いいえ。国税庁ホームページの「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」は、交通用具だけを使う場合の説明先として、コード2585「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」を案内しています。まず通勤方法を確かめ、案内先の本文で該当する条件と限度額を確認してください。
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