合志市にお住まいのご家族が亡くなられた後、遺品や会社関係書類から非上場株式が見つかることがあります。取引所の価格を確認できない株式であっても、相続財産から外して申告要否を判断することはできません。
相続税申告の要否は、非上場株式だけでなく、相続などで取得した財産の課税価格と基礎控除との比較を通じて検討します。会社資料、相続人、債務、葬式費用を確認し、株式評価を含む計算の前提を税理士へ伝える順序を解説します。
SECTION 01
非上場株式が見つかった段階で確認すること
合志市に住む相続人が、亡くなった方の通帳、郵便物、決算書、株主関係の書類から会社名を見つけても、その記載だけで所有株式数や相続開始日の価額は確定しません。書類の作成日、発行会社名、株主名、株式数、保管者を対応させ、現在の確認状況を記録することが出発点です。
非上場株式は市場で日々売買される価格をそのまま確認できないため、預金残高と同じ方法では金額を整理できません。一方、換金予定がないこと、配当を受けていないこと、経営に関与していなかったことだけで対象外とは判断できないため、株式の存在確認と税務上の評価を分けて進めます。
最初の段階では、会社の商号、事業内容、亡くなった方と会社との関係、株券や株主に関する書面の有無を確かめます。会社へ照会する必要がある場合は、誰が連絡を担うかも家族内で確認します。相続人や株式数が未確定なら、推測値ではなく、確認先と確認予定を添えて税理士へ伝えます。
SECTION 02
課税価格と基礎控除から申告要否を考える
相続税申告の要否を考える際は、相続などで取得した財産の課税価格を整理し、遺産に係る基礎控除額と比較します。非上場株式の価額だけが基礎控除額を下回っていても、預貯金、不動産その他の財産を合わせた結果は異なり得るため、一つの項目だけで結論を決めないことが重要です。
国税庁ホームページの「No.4105 相続税がかかる財産」で課税対象となる財産の範囲、「No.4126 相続財産から控除できる債務」で債務、「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」で葬式費用の扱いを確認します。そのうえで「No.4152 相続税の計算」に示された課税価格、基礎控除、課税遺産総額、相続税の総額へ進む基本の計算順に照らします。比較に用いる課税価格は、単純な財産の合計額と同じとは限らないため、各項目を分けて確認します。
基礎控除額を超える可能性があるかを概算する段階でも、非上場株式の価額が未確定なら、その金額をゼロとして扱うのは適切ではありません。使用した会社資料の日付、仮置きした前提、未確認の財産債務を区別し、株式評価を反映した後に比較結果が変わり得ることを記録します。
SECTION 03
株式と発行会社を特定する手掛かり
株主名と株式数を資料ごとに照合する
株券、株主に関する通知、配当関係書類、会社の決算書などが残っているときは、資料名と記載時点を確認します。古い書類には、その後の株式移動や会社側の変更が反映されていない可能性があります。亡くなった方の氏名、発行会社、株式数が一致するかを見て、相違は未解決事項として残します。
会社の役員であった事実と株主であった事実は同じではなく、役職名だけから所有株式数を決めることはできません。また、家族が会社経営を引き継ぐ予定でも、その予定から相続開始日に誰が株式を所有していたかを逆算しません。株式の帰属に争いがある場合は、税務計算とは別の法律面の確認も必要です。
亡くなった方が複数の会社に関係していた場合は、発行会社ごとに確認状況を分けます。同じ会社について種類の異なる株式や複数時点の書類があるときも、記載内容を一つにまとめず、作成日を付して照合します。会社へ確認済みの事実と家族の記憶による情報を区別すると、相談時の前提が明確になります。
SECTION 04
株式評価の検討に備える会社資料
相続開始日に対応する決算情報を確かめる
非上場株式の評価を検討するには、発行会社と株式を特定したうえで、会社の財務内容や株主構成に関係する資料の確認が必要になる場合があります。手元の決算書が相続開始日より大幅に前のものなら、現状を示すとは限りません。決算期、対象期間、作成者、後続資料の有無を確認します。
相談前には、会社の決算書、申告関係書類、株主に関する書面など、現に保管されている資料を把握します。すべてが家族の手元にあるとは限らないため、会社側の連絡担当者、顧問税理士の有無、資料を確認できる人も記録します。閲覧権限のない資料を無理に取得せず、確認手順を相談します。
資料を集めるときは、同じ名称の書類が複数年度分ある場合に、対象期間と作成日を見分けられるよう整理します。写しだけがある書類、内容を確認できない書類、会社へ照会中の書類を分け、どの資料を基に確認したかが後から追える状態にします。数字だけを転記するのではなく、書類名、年度、保管場所を一緒に記録すると、追加確認が必要な箇所を税理士へ伝えやすくなります。
決算後に大きな財産の取得、借入れ、事業内容の変更などがあったと聞いている場合は、その事実と確認資料の有無を分けて伝えます。会社の業績が良い、赤字である、休業状態であるといった印象だけで株式価額は決まりません。評価時点と必要資料は個別に異なるため、税理士へ早めに確認します。
SECTION 05
財産・債務・葬式費用を全体で把握する
相続全体は、国税庁ホームページの「No.4105 相続税がかかる財産」で財産、国税庁ホームページの「No.4126 相続財産から控除できる債務」で債務、国税庁ホームページの「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」で葬式費用、国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」で相続税額を計算する基本の流れを確認します。
非上場株式のほか、預貯金、不動産、現金、貸付金などの項目を確認し、借入金や未払金などの債務候補、葬式に伴う支出とは性質を分けます。遺言書や財産目録が見つかっても、記載された項目の現存と記載外の財産債務は別に確かめ、相続開始日時点の状況を資料と結び付けます。
債務や葬式費用は、名称が似ている支出をすべて差し引けると決めず、支払先、内容、相続開始日との関係、領収書や契約書の有無を確認します。家族が立て替えた支出は、支払者と支払日も記録します。控除対象となるかは個別の事実によって異なるため、株式評価と併せて確認を受けます。
SECTION 06
法定相続人の人数と基礎控除の確認
基礎控除額の計算には法定相続人の数が関係するため、家族の人数や日頃の交流だけで数えません。亡くなった方との関係を戸籍謄本などで確認し、相続開始前に亡くなった人がいる場合や養子がいる場合など、人数計算に影響し得る事情を税理士へ伝えます。関係が未確認の人は確定者と分けます。
相続放棄をした人がいる場合、基礎控除で用いる法定相続人の数は、放棄がなかったものとして扱う点を確認する必要があります。養子がいる相続では、身分上の相続人であることと、相続税の計算で基礎控除に用いる人数に人数制限があることを区別し、戸籍謄本と養子縁組の状況を示します。
家族関係図を準備する場合、戸籍謄本で裏付けられた親族関係は実線、聞き取りだけの関係は点線など、線の種類を分けます。その線は親族関係を表すものであり、生前の資金移動や贈与の成立を示すものではありません。相続人の確定に法律上の問題があるときは、他の専門家への確認も検討します。
SECTION 07
課税遺産総額と税率計算を混同しない
株式価額から相続人別の税額へ直結させない
非上場株式の評価額が分かっても、その金額へ税率を直接掛ければ相続税額が出るとは限りません。国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」で、各人の課税価格の合計、基礎控除、課税遺産総額、法定相続分に応ずる取得金額を経る計算順を確認し、評価と税額計算を区別します。
国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」では、法定相続分に応ずる取得金額に対応する税率と控除額が示されています。実際の取得者ごとの税額を検討する段階では、相続人や取得内容なども関係します。表の税率だけを非上場株式の価額へ当てはめて、納税見込みを固定しないようにします。
遺産分割が決まっていない時点の概算では、誰が株式を取得するかを仮定する場合があります。そのときは、仮定した取得者、株式価額、他の財産債務、使用した資料の日付を明示します。概算結果は確定した税額や申告要否を示すものではなく、資料更新や分割内容によって変わる可能性があります。
SECTION 08
取得者や会社状況が未確定の場合の扱い
株式の帰属と税務計算の前提を分ける
株式の名義、保管書類、会社側の記録に相違がある場合、税額だけから誰が実際に取得するかを決めることはできません。遺言書の記載、相続人間の確認状況、会社へ照会中の内容を分け、民事上の取得関係(誰が実際に財産を取得するか)に法律上の検討が必要なら、その予定も税理士へ共有します。
生前に株式を譲り受けたという説明がある場合も、誰から誰へのどの株式の移転が成立したのかを省略せず確認します。相続開始時に株券や関係書類を誰が保管し、会社では誰を株主として扱っていたか、遺言書や財産目録にどう記載されたかを照合し、贈与の成立や株式の帰属を推測だけで決めません。
発行会社が清算中、休業中、組織変更の途中などと聞いている場合は、聞き取り内容と会社書類で確認できた事実を分けます。会社の状態によって必要資料や評価の検討事項が異なる可能性があるため、過去の評価結果をそのまま転用しません。制度改正と個別事情を踏まえ、相続開始日に対応する確認を行います。
SECTION 09
申告期限を見据えた確認順と記録
非上場株式の資料収集には、会社の担当者や会社側の税理士との連絡が必要となり、時間を要する場合があります。相続開始日を確認したら、申告期限そのものと現在までの経過期間を税理士へ伝えます。期限の日付が未確認なら、家族の記憶で決めず、確認先と確認予定を記録して早めに相談します。
確認順は、亡くなった方と相続人の関係、株式と発行会社の特定、会社資料の所在、他の財産債務、葬式費用の順に並べると、未確定の前提を見つけやすくなります。ただし、会社への照会を終えるまで他の確認を止める必要はありません。取得に時間がかかる書類と手元の書類を区別して進めます。
申告期限が近いのに株式評価や遺産分割が固まっていない場合は、期限後に考えればよいと判断せず、どの事実が未確定なのかを税理士へ伝えます。特例や税額軽減は名称だけで使えるとは決めず、申告時点の制度、提出手続、適用要件を別途確認します。準備の遅れを税額の推測で補わないことが大切です。
SECTION 10
税理士へ伝える資料と相談目的
相談時には、相続開始日、亡くなった方と相続人の関係、発行会社名、把握している株式数、会社資料の対象期間を伝えます。さらに、預貯金や不動産など他の財産、債務、葬式費用について、確認済みの項目と照会中の項目を分けます。株式の評価だけか、申告要否まで確認したいかも明確にします。
宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」では、相続税申告と生前の相続税試算を取扱領域として確認できます。宮伸一税理士事務所は熊本県内を対象地域とし、所長税理士が直接担当する方針です。対応内容は資料や事情によって異なり得るため、相談目的を添えて確認します。
会社の顧問税理士がいる場合は、相続人側の税理士へどの資料を共有できるか、会社内で誰が確認するかを先に整理します。税理士は相続税の計算や申告について相談を受けられますが、株式帰属の紛争、遺言の有効性、相続登記などは、内容に応じて別の専門家による確認が必要となる場合があります。
SECTION 11
非上場株式の評価と相続税申告の準備を税理士へ伝える
非上場株式を含む相続では、株式の存在、発行会社、株式数、評価に使用する会社資料、相続人、他の財産債務を順に確認します。課税価格と基礎控除を比較する前提が不足していれば、申告要否を確定できません。未確認事項が残っていても、その内容と確認予定を示せば相談を開始できます。
問い合わせの前に、相続開始日、申告期限の確認状況、会社名、株主関係書類、決算書など手元にある資料を挙げます。加えて、誰が会社へ連絡できるか、株式の取得者が決まっているか、他の財産債務をどこまで確認したかを伝えると、株式評価と相続全体の計算について確認順を検討しやすくなります。
個別の申告要否、非上場株式の評価額、相続税額、特例の適用結果は、会社と相続の事情、申告時点の制度によって変わります。合志市に関係する相続について確認を希望する方は、会社資料の対象期間と不足資料を添えてください。ご連絡の際は、宮伸一税理士事務所の問い合わせページからお願いします。
Q 非上場株式の価額が分からなくても申告要否を判断できますか。
A 現時点では判断できません。発行会社、株式数、会社資料、他の財産債務、法定相続人を確認し、株式評価を反映した課税価格と基礎控除額を比較する必要があります。
Q 配当を受けていない非上場株式は相続財産から外せますか。
A いいえ。配当の有無だけでは判断できません。亡くなった方の所有状況、株式数、発行会社の資料を確認し、相続開始日に対応する税務上の評価を検討します。
Q 会社の決算書が一部しかなくても税理士へ相談できますか。
A はい。手元にある資料の名称、対象期間、発行会社の連絡担当者、不足資料を伝えられます。評価や申告の結論は、必要資料を確認した後に個別に検討します。
INHERITANCE TAX
非上場株式を含む相続税申告のご相談について
宮伸一税理士事務所では、熊本県内の相続税申告と生前の相続税試算を取り扱っています。相続開始日、発行会社、株式関係書類、他の財産債務の確認状況を添えていただくと、資料確認後に株式評価と申告準備について案内できる範囲を検討します。