熊本県内で事業を営み、請求書などをメールやオンラインでやり取りしていると、「印刷したものを残しているが、受け取ったデータはどう扱えばよいか」と迷うことがあります。帳簿に取引を記録することと、取引情報を含む電子データを保存することは、同じ資料を扱っていても確認する論点が異なります。まず、どの取引で、どのようにデータを受け取ったり送ったりしたかを振り返ることが出発点です。
国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」では、税務関係帳簿書類のデータ保存と、電子取引に関するデータの保存義務・保存方法を扱っています。一方、法人税の申告書類を調べる確認先は別です。手元のデータ、帳簿、申告に使う資料を分けて見渡し、保存方法を決める前に何が分かっていて何を確かめる必要があるかを整理します。
SECTION 01
電子で受け取った資料と帳簿は何を分けて考える?
電子で受け取った資料を整理するときは、税務関係帳簿書類のデータ保存と、電子取引でやり取りしたデータの保存を分けて考えます。電子帳簿保存法は税務関係帳簿書類のデータ保存を可能にする一方、取引に関する書類に通常記載される情報を含む電子データをやり取りした場合には、そのデータの保存義務や保存方法等も定めています。帳簿をデータで作成しているかどうかだけでは、受け取ったデータの扱いは整理できません。
例えば、日々の取引を帳簿に記録していても、その取引に関して電子的に授受した元データが何かは別に確かめる必要があります。まずは「何を帳簿に記録したか」と「どのようなデータを相手方とやり取りしたか」を区別してください。個々のメールや添付ファイルが該当するか、現在の保存方法で足りるかは、データの内容と授受の状況を確認してから考える事項です。
参照先(税務関係帳簿書類のデータ保存が扱われる制度を確認する。/電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 02
どの取引でデータを授受したか思い出せる?
取引を起点に授受の経路を振り返る
資料名だけを手掛かりに探すと、同じ取引について別の経路でやり取りしたデータを見落とすことがあります。まず取引ごとに、誰と、どの経路で、どのようなデータを授受したかを思い出せる範囲で確かめます。取引に関する書類に通常記載される情報が含まれるかを検討するためにも、ファイル名だけでなく中身とやり取りの状況を区別して把握することが大切です。
確認の対象を絞る際は、次の情報を手掛かりにします。
- 相手方と、関係する取引
- メール、添付ファイル、ダウンロードなど、実際に使った授受経路
- 授受したデータの種類と、内容をまだ確認できていないもの
ここで行うのは候補の洗い出しです。「メールで届いたから該当する」「添付ファイルではないから該当しない」と経路だけで決めず、確認待ちのものはそのまま区別しておきます。対象が見えてきたら、次に元のデータが現在どこにあるかを確かめられます。
参照先(電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 03
受け取ったデータは今どこにある?
授受した可能性のあるデータが見つかったら、次は現在の所在を確認します。受信メールを見つけた場合は添付ファイルや本文で受け取った内容を、ダウンロードした場合は取得後のファイルを、実際に利用した経路に沿ってたどります。担当者が別の場所に移した可能性があるなら、元の受信場所と今参照している場所を混同しないようにします。
「見られる場所」と「授受したデータ」を区別する
画面で取引内容を確認できても、どのデータを相手方とやり取りしたのか、そのデータが今も残っているのかは別の問いです。見つからない場合は、存在を推測で埋めず、使用した経路、最後に確認した場所、確認を頼む相手を整理しておくと、次に調べる対象が明確になります。複数の場所に同じような名前のファイルがある場合も、内容を確かめる前に同一のデータだと決めないでください。
参照先(電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 04
紙に印刷した資料と元のデータは両方残っている?
印刷物の有無と元データの有無を別々に確認
電子的に授受した資料を紙に印刷して整理している場合、紙を見つけたことと元のデータを見つけたことは同じではありません。まず印刷物があるかを確かめ、次に、その印刷物に対応する電子データがどこにあるかを前節で確認した授受経路に戻って調べます。逆に元データだけが見つかった場合も、紙が手元にないという事実と、保存方法についての判断は分けておきます。
印刷物には取引を探す手掛かりが残っていても、どのファイルをいつどの経路で受け取ったかまでは、それだけで分からないことがあります。両方ある場合は内容が対応するかを、片方しか確認できない場合は何が未確認かを整理すると、後で保存方法を調べる際の問いが具体的になります。印刷物だけで足りるかどうかは、この確認だけで一律には決められません。
参照先(電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 05
データと記帳済みの取引は対応している?
元データと印刷物の状況を確かめたら、分かっている範囲で記帳済みの取引との対応を見ます。例えば、取引相手や取引内容を手掛かりに、見つかったデータがどの記録に関係するかを確かめます。帳簿の記録からデータの候補を探すことはできますが、記帳されているというだけで電子的に授受した元データの所在まで確認できたことにはなりません。
対応が分からない取引は推測で結び付けない
一つの取引について複数のデータが見つかったり、似た内容の取引が続いたりする場合は、ファイル名だけで帳簿の記録と結び付けないようにします。対応が分かるもの、候補はあるが確認待ちのもの、データの所在が分からないものを区別すれば、何を追加で確かめるべきかが見えてきます。帳簿への記録と、取引情報を含む電子データをやり取りした場合の保存は、それぞれ別の論点として扱います。
参照先(税務関係帳簿書類のデータ保存が扱われる制度を確認する。/電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 06
保存方法で疑問が残ったらどこを調べる?
保存方法について疑問が残る場合は、まず自社がどのデータをどのように授受し、今どこで保管しているかを確認したうえで、電子取引に関する説明を調べます。所得税法・法人税法上の保存義務者となる方に対して、国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」は特に電子取引を確認するよう案内しています。ただし、この案内だけで個々の事業者の該当性や、手元のファイルに適用される取扱いは確定しません。
疑問の内容に合わせて確認先を選ぶ
国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」には、制度別・項目別に調べる入口のほか、一問一答、制度の概要、パンフレットなどの案内があります。電子取引について知りたいのか、手元のデータの保存方法について確かめたいのかを分けて探すと、調べる目的が明確になります。入口に案内があることと、各資料に記された個別要件を確認したことは同じではありません。
調べる際は、授受したデータの内容と経路、現在の保管場所、判断に迷っている点を手元で整理しておくと、一般的な制度説明と自社で確認すべき事情を分けられます。検索要件や保存期間、例外などの適用は、案内項目の名前から推測せず、該当する説明と個別の状況を確かめてください。
参照先(電子取引の確認を案内されている対象を確認する。/保存上の疑問に応じて詳しい説明を探す入口を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 07
法人税の取扱いを調べるときは何を見る?
法人の申告内容について、法人税の一般的な取扱いを調べたいのか、特定の取扱いを詳しく確認したいのかで、見る先が変わります。国税庁ホームページの「法人税」には、一般的な説明を探す入口のほか、税法、法令解釈通達、質疑応答事例など専門的な情報を探す入口があります。まず疑問が法人税の取扱いに関するものかを確かめると、資料を選びやすくなります。
保存方法の疑問とは分けて考える
たとえば、受け取った請求書の内容を法人税の申告にどう反映するかという疑問と、その電子データを現在の場所・方法で保管してよいかという疑問は同じではありません。「法人税」は前者に関係する取扱いを探す入口であり、後者の個別の保存要件を判断する根拠にはなりません。手元で何に迷っているかを言葉にしてから確認先を選ぶことが大切です。
参照先(法人税の取扱いを調べる入口を確認する。):国税庁ホームページの「法人税」
SECTION 08
法人税の申告書類を確認するには?
法人の申告書類や申告手続の情報を調べるなら、国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」が確認先です。ここには法人税申告書別表等、パンフレット・手引き、申告手続に係る参考情報への案内があります。書類や手続について調べたいのか、法人税の取扱いそのものを調べたいのかを分けると、前の節で示した確認先との使い分けができます。
申告書類の案内と日々の授受データは別
申告に使う資料をまとめていても、日々電子的に受け取った元データがどこにあるかは、それだけでは分かりません。法人税申告書別表等の案内は、法人の申告資料・手続を確認するためのものです。電子取引データの保存要件の根拠として使ったり、個人事業主の所得税申告書類の案内に読み替えたりせず、調べたい対象に合わせて参照先を選びます。
参照先(法人税申告書類と申告手続の確認先を調べる。):国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」
SECTION 09
申告に使う資料と授受したデータに抜けはない?
申告のために資料をまとめた後は、電子的に授受した取引情報を含む元データも別に見渡します。申告資料が手元にあることと、授受したデータの所在が分かることは別の確認です。たとえば、資料として使った内容について、どの経路で受け取り、現在どこに保管しているかをたどれるか確かめます。
所在が分からないものを特定する
法人の申告書類を確認する際は、国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」を参照できます。一方、申告に使った資料と元データとの対応が分からない項目は、受け取った人や授受経路、現在の保管場所を確認待ちとして整理します。見つからない資料があるだけで申告内容の誤りや保存義務違反と決めず、何の所在が不明なのかを具体的にします。
参照先(電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
参照先(法人税申告書類と申告手続の確認先を調べる。):国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」
SECTION 10
保存方法を決める前に何が未確認?
保存方法を決める前に、まず自社・自身が所得税法または法人税法上の保存義務者に当たるかを確認する必要があります。国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」は、こうした保存義務者に特に電子取引の確認を案内しています。ただし、その案内だけで個々の事業者の該当性まで確定するわけではありません。
データの性質と保管状況を切り分ける
次に、取引に関する書類に通常記載される情報を含む電子データをやり取りしたか、個々のデータについて確認します。授受の経路と現在の保管場所・方法を把握しても、それだけで保存方法が適合するとは判断できません。メールや添付ファイルなどの個別の扱いと、適用される要件・例外・時点は、具体的な状況に即して確認を残します。
保存上の疑問を詳しく調べる入口として、同サイトには制度別・項目別の案内や一問一答、制度の概要、パンフレットなどがあります。現在の掲載内容を確かめ、疑問に合う項目を探します。保管場所が分かった段階で適合・不適合の結論を出すのではなく、どの条件がまだ確認できていないかを区別しておきます。
参照先(電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。/電子取引の確認を案内されている対象を確認する。/保存上の疑問に応じて詳しい説明を探す入口を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
SECTION 11
熊本県内で保存状況と記帳・申告準備を相談するには?
熊本県内で事業を営む法人・個人事業主が保存状況と記帳・申告準備について相談する際は、取引データをどの経路で授受し、現在どこに保管しているかを伝えると、確認したい点が明確になります。あわせて業種、年商、仕訳数、現在の記帳状況など、分かっている範囲をお知らせください。宮伸一税理士事務所では、問い合わせ後のヒアリングでこうした事業・記帳状況を聞く流れを案内しています。
記帳と申告の相談内容を分けて伝える
記帳を任せたいのか、自分で入力した内容を確認してほしいのかによって、相談したい内容は異なります。同事務所の顧問業務には記帳代行と記帳指導のプランがあり、取扱領域には顧問業務のほか、決算申告、確定申告、年末調整も含まれます。どの業務について困っているかを伝え、資料や記帳状況を確認した後に、対応可否と範囲の案内を受けてください。
源泉所得税の納付確認も相談したい場合は、支払先と支払内容、支払日、計算過程、納付記録がどう対応しているかを分かる範囲で整理しておくと、相談事項を伝えやすくなります。ご連絡の際は、宮伸一税理士事務所の問い合わせページからお願いします。
参照先(記帳状況に応じて相談できる顧問業務の内容を確認する。/問い合わせ後に伝える事業と記帳の状況を確認する。):宮伸一税理士事務所ホームページの「法人・個人事業主様向け 顧問業務・決算申告」
SECTION 12
手元の情報をどこまでそろえてから判断する?
手元の情報がすべてそろうまで、確認を止める必要はありません。まず、取引情報を含む電子データをどのように授受し、現在どこにどのような方法で保管しているかを把握します。日々の帳簿とのつながりが分かるものと、元データの所在をまだ確認できないものを分けておくと、次に何を調べるかが明確になります。
分かることと判断待ちのことを分ける
法人は申告資料・手続の案内を国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」で確認できます。電子取引データの保存について調べる入口は、国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」です。申告資料を整えることと元データの保存方法を判断することは分け、判断待ちの項目には、現在分かっている状況と確認先を添えます。
授受経路や保管場所がまだ分からないデータについては、誰に何を確認する予定かを残します。保存方法の適否や個別の申告内容を推測で固定せず、確認できた情報と未確認の点を示して相談すると、どこから確かめるかを具体的に話せます。
参照先(電子データの授受に関する保存義務と保存方法が扱われる範囲を確認する。/保存上の疑問に応じて詳しい説明を探す入口を確認する。):国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」
参照先(法人税申告書類と申告手続の確認先を調べる。):国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税」
FAQ
よくある質問
印刷した請求書があれば、受け取った電子データの確認は不要ですか?
いいえ。所得税法・法人税法上の保存義務者となる方が、取引情報を含む電子データをやり取りした場合、そのデータの保存義務や保存方法等を確認する必要があります。自社・自身が対象に当たるかも、個別の状況に応じて確かめてください。まず元データが残っているか、どの経路で受け取ったかを確かめ、個別の保存方法は国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」で確認してください。
法人税申告書の案内ページで、電子取引データの保存方法まで確認できますか?
いいえ。そのページは法人税申告書別表等や申告手続の参考情報を探すための案内です。電子取引データの保存については、国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」で該当する説明を探し、申告書類の確認と分けて考えてください。
記帳が途中でも、事務所に現状を伝えられますか?
はい。宮伸一税理士事務所の公開ページでは、問い合わせ後に現在の記帳状況などを聞く流れが示されています。熊本県内で相談を考えている場合は、分かる範囲の授受経路と記帳状況を伝え、資料を確認した後に案内できる業務の範囲を確かめてください。
運営者
宮伸一税理士事務所