熊本県内にお住まいのご家族が亡くなられ、形のいびつな宅地を相続したとき、地図で見た形だけから相続税評価額を決めることはできません。路線価で評価する地域の不整形な宅地については、整った形の宅地として計算した価額を基に、不整形の程度や位置、地積の大小に応じた補正を検討します。まずは対象となる宅地と、相続が始まった日を確かめることが出発点です。
間口が狭い、奥行が長いといった特徴もあるなら、不整形地の補正とは分けて確認したいところです。また、相続税評価に使う路線価図等は、亡くなった日の属する年分が基準になります。土地の特徴と評価年分を確かめたうえで、土地の評価が相続税の計算にどう関わるかを見ていきます。個別の補正率や評価額は、対象の土地を確認して判断します。
SECTION 01
いびつな形の宅地は、何を見て評価する?
相続した宅地の形がいびつに見えても、その印象だけで不整形地補正を使うとは決められません。まず、その宅地が路線価で評価する地域にあるかを確かめます。不整形地補正の説明が対象としているのは、その地域にあり、奥行距離が一様でないなど形状が不整形な宅地です。
見た目と評価上の条件を分けて考える
対象となる宅地では、不整形でないものとして計算した価額に、不整形の程度、位置、地積の大小に応じた不整形地補正率を乗じます。形が複雑だからといって、見た目から補正率や評価額を決める計算ではありません。国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」で確認できるのは、この評価の考え方です。
熊本県内の宅地についても、地域名や「形がいびつ」という説明だけでは、路線価で評価する対象かどうかは分かりません。対象を確かめたうえで、実際の形状に加えて、その宅地の位置と地積を見ていくことが、補正を検討する順序になります。
参照先(路線価方式における不整形な宅地の計算方法を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 02
宅地のどの特徴を確認しておく?
路線価で評価する地域の不整形な宅地かを確認したら、次はその土地自体の特徴を見ます。不整形地補正率は、不整形の程度だけでなく、位置と地積の大小にも応じて検討するためです。同じように曲がって見える宅地でも、見た目の共通点だけを理由に同じ補正率を当てはめることはできません。
形状・位置・地積を別々に確かめる
対象の宅地について、次の点を区別して確認します。
- 形状:奥行距離が一様でないなど、どの部分が不整形なのか。
- 位置:補正率を検討する対象の宅地が、どのような位置にあるか。
- 地積:補正率を検討する際に用いる、その宅地の地積はどのくらいか。
家族から「いびつな土地」と聞いている場合も、聞いた印象と実際の宅地の特徴は分けておくと、確認すべき点が明確になります。形状・位置・地積のうち確かめられていない点を推測で補わず、確認待ちとしておきます。実際に用いる不整形地補正率は土地ごとに確認する必要があり、これらの特徴を挙げただけでは確定しません。
参照先(路線価方式における不整形な宅地の計算方法を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 03
不整形地補正率はどこで調べる?
路線価で評価する地域の不整形な宅地について、補正率を調べるときは、国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」で計算の考え方を確認できます。同ページが示す「不整形地補正率表」を含む調整率表の掲載については、国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」で確認できます。これは不整形地補正率を探すための参照先であり、表を開いただけで個別の宅地に用いる率が決まるわけではありません。
表の所在と、率を選ぶための条件は別
不整形でないものとして計算した価額に乗じる率は、その宅地の不整形の程度、位置、地積の大小に応じて検討します。したがって、表の数値だけを先に拾うのではなく、対象の宅地についてこれらの条件を確かめてから、該当する補正率を検討します。特徴が未確認の段階では、似た形の別の土地に使った率をそのまま当てはめないことが大切です。
ここで確認するのは不整形という形状に対応する補正です。間口が狭いという特徴まで、不整形地補正率表だけで判断したことにはなりません。間口について気になる点があれば、次にその条件を分けて確かめます。
参照先(路線価方式における不整形な宅地の計算方法を確認できます。/不整形地補正率表の掲載先を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 04
間口が狭い場合は同じ補正で足りる?
路線価で評価する地域にある宅地で間口が狭小な場合は、不整形地補正とは別に、間口狭小補正の計算を確認します。「形がいびつ」という印象だけで間口の条件を満たすとは判断できず、反対に、間口が狭いことだけで不整形な宅地と決まるわけでもありません。それぞれ何を理由に検討しているのかを分けて考えます。
間口が狭小な宅地の評価では、路線価に、その宅地の奥行距離に応じた奥行価格補正率を乗じて求めた価額を基にします。そこへ「間口狭小補正率表」に定める補正率と、その宅地の地積を乗じて計算します。国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」は、この計算と、補正率表を含む調整率表の掲載先を確認するための参照先です。
参照先(間口が狭い宅地について、不整形地とは別の補正の計算を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 05
奥行が長い場合は何が変わる?
奥行が長いと感じる宅地でも、長く見えるというだけで奥行長大補正率を選ぶことはできません。路線価で評価する地域にある宅地で、奥行が長大な場合に検討する補正として、間口狭小補正や不整形地補正とは分けて確認します。間口が狭いかどうかではなく、対象の宅地の奥行について確かめる場面です。
奥行距離を基に計算の流れを確認する
奥行が長大な宅地は、路線価に奥行距離に応じた奥行価格補正率を乗じて求めた価額に、さらに「奥行長大補正率表」の補正率と地積を乗じて計算します。国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」では、この計算と、奥行価格補正率表・奥行長大補正率表を含む調整率表の掲載先を確認できます。
奥行距離や地積がまだ確かめられていない宅地については、計算に使う条件を先に確認します。間口、奥行、不整形という言葉をひとまとめにして補正率を選ぶのではなく、どの特徴について検討しているかを明確にしておくと、次に評価年分を確かめる際にも対象を取り違えにくくなります。
参照先(奥行が長い宅地について、不整形地とは別の補正の計算を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 06
相続した宅地には何年分の路線価を使う?
相続した宅地の評価に使う路線価図の年分は、調べる日や家族が土地の形を確認した年ではなく、被相続人の死亡日が属する年分で判断します。相続または遺贈に係る財産評価では、この死亡日が基準です。まず死亡日を確かめ、その年分の路線価図を確認します。
死亡日と公開状況を確認する
国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」では、相続または遺贈の場合、被相続人の死亡日が属する年分の路線価図や評価倍率表を使うことを確認できます。路線価図や評価倍率表は毎年公開されるため、該当年分がまだ公開されていなければ、公開後にその年分のものを使って評価します。未公開の年分を、手元にある別の年分で確定したものとして扱わないようにします。
たとえば手元で確認できる図と死亡日の年分が一致しているかは、評価に進む前に区別して確認したい点です。年分を特定しても、それだけで対象宅地の路線価や評価額が決まるわけではありません。次は、該当年分の路線価図等をどこで閲覧できるか確認します。
参照先(相続した宅地の評価に使う路線価図等の年分を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 07
該当年分の路線価図はどこで見る?
相続した宅地について路線価図を探すときは、まず亡くなった方の死亡日を確かめ、その日が属する年分を選びます。閲覧した時点で新しい年分の図が出ていても、相続税の評価に使う年分が自動的に変わるわけではありません。
路線価図と評価倍率表は、国税庁ホームページの「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」で閲覧できます。該当年分がまだ公開されていない場合は、その年分の図表が公開されてから評価します。図表を見つけることと、対象宅地にどの評価方法を用いるかを確かめることは分けて考えてください。
参照先(相続した宅地の評価に使う路線価図等の年分を確認できます。/評価に使う路線価図と評価倍率表の閲覧先を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
SECTION 08
土地の評価額が決まれば相続税額も決まる?
宅地の評価と、取得した人ごとの計算
宅地の評価額を確認できても、それだけで相続税額が決まるわけではありません。相続税の一般的な計算では、まず財産を取得した人ごとに課税価格を計算します。宅地の価額を調べる段階と、取得者ごとに相続税の計算を進める段階を混同しないことが大切です。
例えば家族で土地の評価を確認している途中なら、評価額が分かったという情報だけで各人の税額まで答えを出さず、誰について課税価格を計算するのかを区別します。国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」では、相続税の計算において取得した人ごとに課税価格を計算する順序を確認できます。
参照先(宅地の評価を確認した後、取得者ごとの課税価格を計算する順序を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」
SECTION 09
土地の評価額に相続税の税率を掛けてよい?
いいえ。相続税額を算出するとき、土地の評価額に相続税の税率をそのまま掛ける計算はしません。各人が相続などで実際に取得した財産に直接税率を乗じる方法でもないため、宅地の評価額と税率だけを手元に並べても税額は求められません。
形がいびつな宅地の評価額が想定より低くなりそうだとしても、その額に税率を掛けて税負担の変化を見積もるのは避けてください。国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」は、相続税額の算出方法について、実際に取得した財産への直接乗算ではないことを示しています。次に確かめるべきなのは、相続税の税率を適用する金額です。
参照先(土地の評価額に相続税の税率を直接掛けないことを確認できます。):国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」
SECTION 10
相続税の税率はどの金額に適用する?
課税価格と税率を掛ける金額は別
相続税の一般的な計算では、財産を取得した人ごとに課税価格を計算します。その後、相続税の総額の基となる税額を算出する段階では、課税遺産総額を法定相続分であん分して「法定相続分に応ずる取得金額」を求め、その金額に相続税の税率を適用します。土地を取得した人の課税価格と、税率を掛ける金額を同じものとして扱わないことが重要です。
国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」では取得者ごとの課税価格を計算する順序を、「No.4155 相続税の税率」では法定相続分に応ずる取得金額への税率の適用を確認できます。宅地の評価を見直す場合も、まずどの段階の金額について話しているかを確かめると、評価額と税額を取り違えずに済みます。
参照先(宅地の評価を確認した後、取得者ごとの課税価格を計算する順序を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」
参照先(相続税の税率を適用する金額を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」
SECTION 11
熊本県内の不整形地評価は何を伝えて相談する?
熊本県内で相続した不整形な宅地の評価が気になる場合は、亡くなった方の死亡日と、分かっている土地の形状・位置・地積を伝えてください。間口や奥行距離が分かる場合はその情報も添え、まだ確かめられていない点は未確認のまま伝えると、何から確認するかを相談しやすくなります。
宮伸一税理士事務所は、熊本県内を対象地域とし、不整形地を含む複雑な土地評価案件への対応を案内しています。お手元で確認できた情報を知らせたうえで、対象宅地の評価についてどの点を調べたいか、事務所と一緒に整理できます。個別案件の引受けや評価結果が決まっているという意味ではありません。
参照先(不整形地を含む土地評価について、事務所が案内する相談内容を確認できます。):宮伸一税理士事務所ホームページの「相続税申告・生前の相続税試算」
SECTION 12
評価額を決める前に何を確認し直す?
評価方法・年分・計算段階を切り分ける
宅地の評価額を決める前に、対象地が路線価で評価する地域にあるかを確かめます。そのうえで、亡くなった方の死亡日が属する年分の路線価図を選び、宅地の形状、位置、地積を確認します。路線価で評価する地域の不整形な宅地なら、不整形でないものとして計算した価額に、これらの特徴に応じた不整形地補正率を乗じますが、見た目だけで個別の補正率は決められません。
評価額を確認した後も、相続税の一般的な計算では取得者ごとに課税価格を計算します。土地の評価額や実際に取得した財産へ直接税率を掛けるのではなく、相続税の総額の基となる税額を算出する段階で、課税遺産総額を法定相続分であん分した金額に税率を適用します。この順序を踏まえ、分からない土地の特徴や適用年分を確認待ちとして整理してください。個別の評価額や相続税申告の要否は、ここまでの情報だけでは確定しません。
参照先(路線価方式における不整形な宅地の計算方法を確認できます。/相続した宅地の評価に使う路線価図等の年分を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
参照先(宅地の評価を確認した後、取得者ごとの課税価格を計算する順序を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4152 相続税の計算」
参照先(土地の評価額に相続税の税率を直接掛けないことを確認できます。/相続税の税率を適用する金額を確認できます。):国税庁ホームページの「No.4155 相続税の税率」
FAQ
よくある質問
形がいびつなら、どの宅地にも不整形地補正を使えますか?
いいえ、この説明の対象は路線価で評価する地域の不整形な宅地です。まず対象宅地の評価地域を確かめ、形状だけでなく位置や地積も確認してください。
相続した年の路線価図がまだ公開されていない場合、前年分で評価できますか?
いいえ、相続税評価には亡くなった日の属する年分の路線価図等を使います。その年分がまだ公開されていなければ、公開後に該当年分を確認して評価します。
間口が狭く、奥行も長い宅地は、不整形地補正だけを見ればよいですか?
現時点では判断できません。不整形地の補正とは別に、路線価で評価する地域の間口が狭小な宅地や奥行が長大な宅地について、それぞれの計算方法が示されています。対象宅地の間口と奥行距離を確認し、どの条件に当たるか整理してください。
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